インキュベイトファンドから若きキャピタリスト――新ファンド「プライマルキャピタル2号」始動

年始にお伝えしたとおり、インキュベイトファンドのFoF(ファンドオブファンズ)として新たなベンチャーキャピタルが生まれている。サムライト代表取締役の柴田泰成氏によるソラシード・スタートアップスもそうだし、1月20日に2号ファンドの組成を発表したプライマルキャピタルもそうだ。

プライマルキャピタルの代表パートナーである佐々木浩史氏は、2012年7月からインキュベイトファンドに参画。アソシエイトとして投資先企業を支援するのと並行して、インキュベーションプログラムの「Incubate Camp」の企画・運営を担当してきた。佐々木氏は1984年生まれの30歳。日本では若手のキャピタリストだ。

そんな佐々木氏だが、実は2014年2月にプライマルキャピタル1号投資事業有限責任組合を組成(インキュベイトファンドが出資)していたという。ファンドは4600万円の小規模ながら、Incubate Campに参加したスタートアップを中心に、エモーシブ、おでん、byus&co.、PurpleCow、ライフスタイルデザインの5社にシード期の投資を実行している。金額は非公開だが、1社数百万円から1000万円程度といったところのようだ。

すでにインキュベイトファンドの記事でも紹介しているが、今回、プライマルキャピタルは新ファンドの「プライマルキャピタル2号投資事業有限責任組合」の組成を発表した。ファンド規模は3億1000万円で、インキュベイトファンドが出資している。2号ファンドではすでに4社への投資を実行している。

2号ファンドの投資対象となるのは「その事業の存在がユーザーの生活(toC)や商習慣(toB)に劇的な変化を生み出す、社会的意義ある事業」とのことだが、Incubate Camp参加者へのシード出資が中心になりそうだ。またインキュベイトファンドではIoT領域の投資を強化するとしているが、プライマルキャピタルでもIoT領域の投資も行うとしている。

佐々木氏はY Combinatorを例に、インキュベーションプログラム参加時にシード出資を行い、プログラム終了時にはインキュベイトファンドを含めた複数のベンチャーキャピタルでの資金調達を行えるようなスキームを作りたいと語る。なお今後は投資に注力するため、Incubate Campの企画・運営担当を探しているところだそうだ。


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TechCrunch Japan

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