インターステラテクノロジズが17.7億円のシリーズD調達、超小型人工衛星打上げロケットZEROの開発を加速

インターステラテクノロジズが17.7億円のシリーズD調達、超小型人工衛星打上げロケットZEROの開発を加速

「低価格で便利な、選ばれるロケット」をミッションに、観測ロケット「MOMO」と超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」を独自開発・製造しているロケット開発ベンチャー「インターステラテクノロジズ」は12月17日、シリーズDラウンドとして、第三者割当増資による総額17億7000万円の資金調達を実施したと発表した。

引受先は、藤田誠氏(INCLUSIVE代表取締役社長)、INCLUSIVE、サイバーエージェント、シリアルインキュベート、セブンスターズキャピタル1号投資事業有限責任組合、サンコーインダストリー、中島瑞木氏(coly 代表取締役社長)、中島杏奈氏(coly 代表取締役副社長)、山本博士氏(スマレジ 代表取締役)

同社「ねじのロケット(MOMO7号機)」「TENGAロケット(MOMO6号機)」は2021年7月に2機連続で宇宙空間に到達。2019年5月の「宇宙品質にシフト MOMO3号機」を含め、3度の宇宙空間到達を達成した。国内民間単独での宇宙空間到達は唯一となっている。MOMOは実証から事業化の段階に入り、並行して2023年度の打上げを目指すZEROの開発を本格化させている。

今回調達した資金は、ZEROの開発をさらに加速させるための研究開発・設備投資・人材採用・材料費などにあてる。「誰もが宇宙に手が届く未来をつくる」というビジョンの実現に向け、今後も低価格、高頻度な宇宙輸送の観点から日本の宇宙産業をリードするとしている。

同社ZEROについては、一般的には複雑で高額となるエンジンシステムを独自設計するなどコア技術を自社で開発。設計から製造、試験・評価、打上げ運用までを自社で一気通貫させた国内唯一の開発体制、アビオニクス(電子装置)への民生品活用などにより、低価格で競争力のあるロケットを実現するという。

ZEROの燃料には低価格で性能が高く、環境にも優しい液化メタンを選定。エア・ウォーターと協力し、牧場から買い取ったメタンガスで製造した液化バイオメタンをロケットに使うことを計画している。インターステラテクノロジズが17.7億円のシリーズD調達、超小型人工衛星打上げロケットZEROの開発を加速

また東と南が海に開かれた世界有数の好立地、かつ本社から7.5kmの近距離に射場を有することも、世界的に見て大きなアドバンテージとしている。2021年1月には人工衛星開発の100%子会社「Our Stars」を設立しており、日本初の「ロケット×人工衛星」の垂直統合による、革新的な衛星サービスの開発を目指す。

 

投稿者:

TechCrunch Japan

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