インテリジェントなTo-Doリストを提供するAny.DO、個人向けツール拡張を視野に、350万ドルの資金を調達

Q:いったいどういうわけでTo-Doリストアプリケーションに350万ドルもの資金が必要になるのだろう?。A:単なるTo-Doリストを超えたTo-Do関連アプリケーションに発展していくから。と、そんなわけで、ウェブおよびモバイル環境で利用される人気のTo-DoアプリケーションであるAny.DOがシード資金の獲得をアナウンスした。今回のラウンドをリードしたのは、これまでにも出資しているGenesis Partners。他にもInnovation Endeavors(Eric Schmidtのファンド)、Joe LonsdaleBlumberg CapitalJoe Greensteinなど、既存出資者のみならず新たな出資者も加わっている。

尚、Any.DOは2011年末のエンジェルラウンドにて、Innovation Endeavors、Blumberg Capital、Genesis Partners、Palantir(Joe Lonsdale)、Felicis Ventures(Aydin Senkut)、およびBrian Kooなどから100万ドルを調達している。

Any.DOのことを知らないという方のために、少々説明しておこう。開発チームがまずリリースしたのはTaskosというアプリケーションだった。同アプリケーションは2011年11月までに130万の利用者を集め、今やさらにその数字を倍に伸ばしている。チームはこのTakosの成功を見て、コンセプトを発展させたAny.DOをリリースしたのだった。

投入以来Any.DOは大いに人気を集め、現在ではiOS、Android、そしてウェブ上で500万人が利用しているのだとのこと。Onavo Insightsのデータによれば、Any.DOはTo-Doリストアプリケーションの世界で、マーケットリーダー的位置にあるのだという(もっとも近い位置にいるのはWunderlistだ。今月頭のアナウンスによると、利用者が400万人を超えているらしい)。

たいていのケースとは異なり、Any.DOはiOS版よりもAndroid版で多くの利用者を抱えている。Androidの利用者層の広さを意識して、そこで必要とされるアプリケーション機能を十分に吟味して、またTaskosを使っていた潜在ユーザーの希望なども存分に反映しつつAny.DOを生み出したのだ。

Any.DOのデザインは非常に優れたもので、それがゆえにアプリケーションがとてもシンプルに見えもする。但し、裏ではかなり難しい処理も行なっている。

Any.DOのファウンダー兼CEOであるOmer Perchikは次のように言っている。「お使いいただいているアプリケーションはどんどんスマートになっていくと思います。登録されたTo-Doは、もちろんきちんと管理します。また、アプリケーションにはセマンティックエンジンも搭載して、関連To-Doなども効率的に管理していこうと考えています」とのこと。「予測エンジンも搭載して、興味のありそうなことを提案するような機能も実装しているのです」。

たとえば、旅行やジムのワークアウトに出かけたい旨をアプリケーションに登録したとしよう。すると、Kayak、TripAdvisor、MyFitnessPalなど、関連するアプリケーションのレコメンドも行う。あるいは「税金を支払う」と登録して、日時を指定しなかったとしよう。それでもきちんと納税日前にリマインダーを表示するというようなことも行う。

関連アプリケーションの紹介はアフィリエイトに基いて行なってることもあれば、そうでないケースもあるそうだ。いずれにせよ、1~5%という平均的なコンバージョンレートよりも高い率を実現しているとPerchikは述べている。

ところで今回獲得した資金はAny.DOに投入するのか、それとも他にも個人向け生産性向上ツールの開発を行う考えがあるのだろうか。Perchikは「両方の可能性がありますね」と述べている。但し、今のところはメールやカレンダーなどの分野にテリトリーを拡げるつもりはないようだ。

最近は、ホームスクリーン上に配置されて高頻度で利用されるアプリケーションの開発に注力しているスタートアップが多い。たとえばメール(Mailbox、Triageなど)や、カレンダー(Sunrise、Tempoなど)、あるいはメッセージング用のアプリケーションも提供していくような動きがトレンドとなっている。「日々の生産性に関わっているという面では、私たちのプロダクトに似ている面もあります。しかし関連製品をいろいろと出していって、Google DocsやOfficeのようなものを提供しようとする気持ちは全くないのです」とPerchikは述べている。Any.DOに近い、より個人的な世界に目を向けているのだそうだ。

ところでPerchikたちは、現在は新しく開設したサンフランシスコオフィスで仕事をしている。人員は12名だ。ここで働くスタッフの獲得に資金を投入することにしているそうだ。R&Dチームは当初よりイスラエルで仕事をしている。サンフランシスコオフィスで採用する人材はマーケティングおよび企画系を予定しているらしい。

ちなみにAndroid版のAny.DOは最近アップデートされている。Astrid(最近Yahooが立て続けに行った買収攻勢で対象となったひとつ)のサービス終了が予定されており、そのデータをインポートできるようになっている。

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(翻訳:Maeda, H)