インドのバス通勤をデジタル化するChaloが約44.5億円調達

Mohit Dubey(モヒート・ドゥビー)氏は10年以上前に、中古車や新車の売買を可能にするスタートアップ「CarWale(カーウェイル)」を設立した。しかし、このスタートアップで10年以上を費やしたことで、ドゥビー氏は、自分が解決している問題はインドのわずか3%にすぎないことに気がついた。そこで彼は、もっと大きなことに挑戦したいと考えるようになった。文字通りに。

現在、彼が手がけているのは、バス事業者がデジタル決済を受けられるようにし、通勤状況を把握できるようにする「Chalo(チャロ)」という会社だ。インドのバス市場は200億ドル(約2兆2200億円)規模のビジネスチャンスであり、タクシーの約2倍の規模であるにもかかわらず、インドにはバスがほとんど存在しないと、彼はTechCrunchのインタビューで語っている。

Chaloの初期の支援者の1人であるWaterBridge Ventures(ウォーターブリッジ・ベンチャーズ)のパートナーであるManish Kheterpal(マニッシュ・カテルパル)氏は「残念ながら、(バスの分野では)技術破壊や有意義なサービスの改善は見られませんでした。Chaloのユニークなソリューションは、インドの11の州で毎日の通勤者の生活にポジティブな影響を与えており、そのサービスを全国的に拡大する準備ができています」と述べている。

インドでは、人口1万人に対してバスが3台しかない。この分野は、変革の機運が高まっている一方で、まだ十分なサービスが提供されていない分野でもある。顧客はいまだに現金で料金を支払わなければならない。月間パスを提供しているバスもほとんどない。また、どのバスが指定された停留所にいつ到着するかも不明確だ。

これらの課題を解決するのが、7年前に設立されたChaloだ。この会社は、バスにGPS装置を設置し、顧客が自分の通勤経路を追跡できるようにしている。その名を冠したアプリでチケットや月間パスを販売し、運行会社の経常的な収益確保に貢献している。

「これは大きなチャンスです」とドゥビー氏はいうが、バス通勤のデジタル化には大きな課題もある。バスの所有者は、1日にどれだけの集金があったかを知らないことが多いのだ。また、この発券システムは、オフラインモードでも動作し、ネット接続がほとんどない地域をバスが通過する際にもオンライン決済を受け付ける必要がある。

Chaloは現在、すべての面で成功を収めつつある。

画像クレジット:Chalo

米国時間10月5日、Chaloは、シリーズC資金調達ラウンドで4000万ドル(約44億4900万円)を調達したことを発表した。このラウンドは、Lightrock India(ライトロック・インディア)とFilter Capital(フィルター・キャピタル)が主導した。このラウンドには、既存の投資家であるWaterBridge Ventures、Raine Venture Partners(ライネ・ベンチャー・パートナーズ)、Neeraj Arora(ニーラージ・アロラ)氏(WhatsAppの元チーフビジネスオフィサー)、Amit Singhal(アミット・シンガル)氏(Googleの元SVP)も参加した。

ドゥビー氏によると、2020年のパンデミック発生前には、同社は約1900台のバスを運行していたとのことだ。現在は2500台のバスを運行しており、さらに数千台のバスと契約を交わした。12月までには、約8000台のバスがこのプラットフォームに登録される予定だという。「社会にインパクトを与えるようなビジネスチャンスは、滅多にありません」と同氏は語っている。

「バスはインドの公共交通機関の第一位であり、移動の48%を占めています。にもかかわらず、その体験は崩壊しています。Chaloでは、バスの利用体験を大幅に改善する技術を導入し、それによって利用者数を増やしています。当社は現在、毎月2000万人のお客様にご利用いただいているインド最大級のモビリティ企業です」と述べている。

Chaloは、今回の資金調達の一環として1000万ドル(約11億1200万円)をストックオプションの買い戻しに充て、現在の従業員と元従業員、および初期のエンジェル投資家に報いる予定だ。

「Chaloは、サービスが行き届いていない公共交通機関の分野に取り組むことで、新型コロナ後の明確な勝者となりました。これにより、Chaloは国の事実上のモビリティ・オペレーティング・システムとなることができます。公共交通機関は、大規模なモビリティニーズに対応するより大きなモビリティプラットフォームを構築するためのバックボーンとなります」と、LightrockのパートナーであるVaidhehi Ravindran(ヴァイデヒ・ラヴィンドラン)氏は声明の中で述べている。

「私たちは、社会に貢献したいという深い目的意識を持った創業チームの革新的で技術主導のアプローチに感銘を受けました。彼らのステークホルダーに対する共感は、ビジネスのあらゆるレベルで成文化されており、インドの一般市民のためにこのソリューションを構築するのに最適なチームです。インドのモビリティを変革し続けるChaloとパートナーシップを組めることをうれしく思います」と語っている。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

投稿者:

TechCrunch Japan

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