インドのSnapchatユーザーが1億人突破、eコマース大手FlipkartやAndroidスマホベンダーなどと提携へ

Snap(スナップ)は、現地時間10月27日、インドにおける月間アクティブユーザー数が1億人に達したことを発表した。これは、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)が5億人以上の人々にサービスを提供している重要な海外市場での快挙だ。同社は世界第2位のインターネット市場へのさらなる進出に向けて、Androidスマートフォンのベンダー、エンターテインメントTVチャンネルのSony(ソニー)およびZee TV(ズィーTV)、eコマース大手のFlipkart(フリップカート)など、さまざまな企業との契約を進めている。


Snapの共同創業者兼CEOのEvan Spiegel (エヴァン・シュピーゲル)氏は、同日に開催されたバーチャルイベントで、インド進出に貢献した同社のローカライゼーションの取り組みを紹介しながら、この節目を語った。この節目と今日の数多くのパートナーシップは、2~3年前までは存在感や関連性が限定的だったインド市場に対するSnapの戦略における大きな転換を示している(Snapは全世界で5億人以上の月間アクティブユーザーを抱えている)。

同社は近年、Androidアプリを改良したことでインドに進出した。インドでは、スマートフォンの98%以上がAndroidだ。Snapは、Durgesh Kaushik(ドゥルゲシュ・カウシク)氏をインド事業の責任者に任命したことで、現地のクリエイターや企業との関係を発展・改善させることにも大きく貢献したと、多くの人たちが最近の四半期にTechCrunchに語っている。

「私たちは、インドのコミュニティ向けにSnapchatをローカライズするために、多大な投資を行ってきました。文化的に関連のあるコンテンツを追加し、非常に活発でクリエイティブな現地のクリエイターコミュニティを開発し、現地の製品、マーケティング施策、言語サポートに投資してきました」と、イベントでシュピーゲル氏は述べている。

「インドのスナップチャッターにローカライズされた体験を提供するためのこうした取り組みの結果、現在、インドのスナップチャッターは毎月1億人に達しています。今後も、インドの文化や能力を称えることに重点を置きながら、インドのクリエイターのコミュニティを強化し、成長させ、リソースを提供していきます」と述べている。

Snapは、インド向けの2回目の年次イベントで、インドでの成長を加速させるために締結した数々のパートナーシップを発表した。同社は、AR体験を開発するために、インドのeコマース大手Flipkartと「戦略的パートナーシップ」を結んだ。同社によると、eコマース企業とこの種のパートナーシップを結ぶのは初めてのことだという。

「このパートナーシップにより、買い物客はSnapchat ARを通じてショッピングやeコマースを利用する体験を始められ、自宅にいながら簡単にショッピングを進めることができるようになります!」と同社は述べている。

Snapは、インドのSugar Cosmetics(シュガー・コスメティックス)およびMyGlamm(マイグラム)とも提携しており、両社は今後、SnapのARショッピングベータプログラムを採用して、バーチャルな美容・化粧品の試着体験を顧客に提供する予定だ。

「拡張現実は、インドにおけるSnapchatのサービスの中核をなすものです。文化的な関連性を保ち続け、ユニークなAR体験を提供するための当社の取り組みは、1億人のインドのスナップチャッターの共感を得ています。私たちは、ワークショップやレンズソン(ARレンズを用いたインドのクリエイター向けハッカソン)を通じて、学生や若者に必要なARスキルを身につけてもらうことを目指しています。私たちは、インドでより多くのローカルクリエイターと提携し、スナップチャッターが利用できるすばらしい体験の数を増やすことを目指しています。Snapでの私たちの狙いは、ARをこれまで以上に身近で便利で実用的なものにすることです」。とSnapの共同創業者であり、最高技術責任者であるBobby Murphy(ボビー・マーフィー)氏は、イベントで述べている。

もう1つのインド初の取り組みとして、Snapは、インド国内で1億台以上のデバイスをインストールしているAndroidの主要なOEMメーカー(Androidベンダー)と提携したとのことだ。これらの企業は、自社のデバイスにSnapchatアプリをプリインストールする。また、Samsung(サムスン)との提携により、SnapのAR機能付きレンズの一部をSamsungのインド向けスマートフォン「Mシリーズ」に搭載する「ファン・モード」を提供する。

また、Anushka Sen(アヌシュカ・セン)氏とVir Das(ヴィル・ダス)氏が出演する「What’s On My Plate」や「The Most Epic Max Show」など、多数のクリエイターショーを公開し、来年はインド全体で120エピソードの新コンテンツを委託すると述べている。

同社は「ディスカバリー」セクションがインドで非常に人気があると述べている。このセクションでは、ニュース、ファッション、エンターテインメント、コメディーなど、インドのローカルチャンネル70社のコンテンツを紹介している。現在、Sony Entertainment TelevisionやZee TVなどの大手エンターテインメントチャンネルとの提携を発表し、さらに多くの厳選されたコンテンツをアプリに掲載する予定だという。

また、インド事業では、あらゆる規模の企業に対応できるよう、収益化機能を急速に拡大している。2020年の新規広告主数は70%増加し、Spotify(スポティファイ)、Swiggy(スウィッギー)、LG、OnePlus(ワンプラス)、ITC Yippee Noodles(ITCイッペイ・ヌードル)などの企業と提携している。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

投稿者:

TechCrunch Japan

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