インハウス制作にこだわる映画関連情報サイト「ciatr」が資金調達、今後はデータマーケティング領域に注力

映画関連情報サイト「ciatr(シアター)」を運営するvivianeは3月4日、ファンコミュニケーションズ代表取締役の柳澤安慶氏、ReBoost代表取締役の河合聡一郎氏、その他個人投資家らを引受先とする、第三者割当増資を実施したことを発表した。調達した資金の額は非公開となっている。

ciatrは映画やドラマ、アニメなどの情報を発信するウェブメディアだ。月間最大利用者数は850万人、月間最大閲覧数は3500万PVを突破。同社いわく、上記のようなジャンルの情報を扱うメディアとしては国内最大級の規模へと成長しているという。

vivianeは2012年3月に設立。同社の代表取締役CEOの田辺大樹氏が大学在学中にciatrのプロトタイプを作ったのがきっかけとなった。創業当初は「観た映画をレビュー」できるスマホ向けの映画鑑賞記録サービスを展開。メディア事業を開始したのは2015年のことだった。

同社では企画、制作から配信まで自社内で完結し、インハウスで健全なサービス体制を構築しているという。

映画メディアでは著作権などが絡む非常にセンシティブなコンテンツを扱うため、かつ、ファクトチェックが非常に難しいため、専門知識の豊富なライターを少人数、インハウスで抱えるという選択肢を選んだ。

編集部は現在8名。編集業務は4名が担当し、その他はライターだ。もともとは40から50名ほどの外部ライターを抱えていたが、「記事のクオリティーを重視するため」、現在では1人、2人を除いてほとんどが内部でライティングを行なっている。田辺氏いわく、一記事当たりの質を高め、リスクを減らすために、「ライターの内部化」を基本戦略として考えているそうだ。

現在、vivianeでは主に映画会社などからの広告出稿によってマネタイズしている。加えて、VOD事業者に対する送客にも2018年末より注力、配給会社に対する展開も視野にあるという。

そんなvivianeは今回調達した資金をもとに、システム開発や人材の採用を加速させる。

開発面では、同社はトップページのリニューアルを予定しており、ciatrを訪れた読者が「気分」や「ジャンル」などから観たいと思う映画やドラマ、アニメ作品を発見できる設計にする。

また、映画の閲覧分析や、コンテンツを閲覧したユーザーにオススメの作品を届けるなど、データマーケティング領域にも力を入れていく。加えて、映画系メディアをゼロから立ち上げ運営してきたノウハウを活用し、他企業のメディア運営やマネタイズのサポートもするなど、包括的なサービス体制の構築を目指す。

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TechCrunch Japan

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