ウェアラブルなオモチャ「Moff」、Amazon.co.jpとTokyo Otaku Modeで予約開始

Moff取締役エンジニアの米坂元宏氏と代表取締役の高萩昭範氏

クラウドファンディングサービスKickstarterで、目標金額の約4倍にあたる7万8800ドルを集めた日本発ハードウェアスタートアップMoffのウェアラブルなオモチャ「Moff band」。これまでKickstarterでしか手に入らなかったこの商品の一般予約が始まった。国内向けにはAmazon.co.jp(送料込みで5616円)、欧米向けにはTokyo Otaku Mode(送料別で53.99ドル)でそれぞれ予約できる。国内での発売は10月15日、海外では10月後半となっている。当初製造を予定するのは数千個。その後、ブラックフライデー(感謝祭翌日の11月の第4金曜日)以降に始まるクリスマス商戦に備えて増産していく予定だ。

Moff bandは、腕時計のように腕に巻き付けて利用するオモチャだ。内蔵する加速度センサーとジャイロセンサーによって人の動きを感知。Bluetooth 4.0でiOSのデバイスと連携し、専用アプリ上で、感知した動きにあわせて音を鳴らすことができる。

現時点では、チャンバラごっこや電子銃、ギター、ドラム、ピアノ、テニス、ゴルフなど、シンプルな動作で子どもが手軽に遊べるようなテーマを用意している。僕が実際に見せてもらったデモはドラムだったのだが、これが意外とすごいのだ。手を上に向けて振る、地面と水平くらいの向きに振る、下に振るという異なる動きをすると、上向きに振ったときはシンバル、水平に振ったときはスネアドラムというように、それぞれの動きにあわせて異なる音を鳴らすことができる。

Moff代表取締役の高萩昭範氏によると、これは高さの情報を取得するようなセンサーを内蔵しているわけではなく、前述の2つのセンサーで縦に手が動いている、横に手が動いているといった動きの「種類」をとらえており、その種類にあわせて音を変えているそうだ。ドラムのデモは残念ながら含まれていないのだけれど、以下がKickstarterで公開されていたイメージ動画になる。

高萩氏がMoffを設立するに至った経緯については、「『苦痛を感じるほどの課題はあるか?』、MoffがハッカソンからHWスタートアップで起業するまで」という記事で紹介しているが、同氏はコンサルティング会社のA.T.カーニーと、メルセデス・ベンツの商品企画に携わったのち、電子書籍のスタートアップの立ち上げ準備をしていたそうだ。この電子書籍の事業に関しては前述の記事にもない話だったのだけれど、その事業を始める前に参加した大阪市主催のハッカソン「ものアプリハッカソン」をきっかけに、ウェアラブルデバイスの開発を目指すことになったそうだ。「もともとは著作権切れした書籍を読めるサービスを考えていた。だが前職を考えても、正直なところ電子書籍よりIoT(Internet of Things)、特にT(Things)のほうが得意だった」(高荻氏)

Kickstarterでの注文に関しては、現在金型を作成しており、9月末にも購入者の手元に届くという。製品の組み立ては日本で行う予定。当初は中国の工場での組み立ても検討したが、最初に小ロット生産するのであれば、コミュニケーションにかかるコストも考慮して日本で組み立てるほうが安価だと判断したそうだ。なお、Kickstarterで集めた資金でKickstarterでの注文分の生産は可能だそうだが、Amazon.co.jpやTokyo Otaku Modeでの注文に向けて、現在エンジェルからの投資、そして融資で資金を調達しているとのこと。「すでにベンチャーキャピタルから出資を受けていると思われていることもあるのだがそんなことはない。ハードウェアを作るので、集めるときには大きく集めないといけないと思っている」( 高萩氏)


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。