ウェアラブル端末なしでも動きを計測、元テスラ日本法人代表が手がけるUpliftが約1.3億円調達

写真中央がUplift Labs CEOで、元テスラ日本法人代表の樺山資正氏

米国に拠点をおくAIスタートアップのUplift Labsは7月25日、ソフトバンクグループでAI特化型のインキュベーションを行うディープコア、スパークス・グループが運営する未来創生ファンド、および複数のエンジェル投資家などから総額120万ドル(約1億3000万円)を調達したと発表した。これが同社にとって初の外部調達となる。

Uplift Labs(以下、Uplift)は、米国パロアルトに本社をおくAIスタートアップ。同社を率いるのは日本人CEOの樺山資正氏だ。同社は現在、ステルスでプロダクトの開発を進めており、その全貌はまだ明らかになっていない。ただ、樺山氏の話によれば、同社はセンサーとしてウェアラブル端末を使用せずに人間の動きを解析できるような運動解析ツールの開発を進めているという。同プロダクトを利用することで、運動フォームの改善やけが防止のためのアドバイスをリアルタイムに受けることが可能になる。

「ウェアラブル端末では計測できる領域がランニングや水泳に限られるが、Upliftではウェイトリフティングなども含め、さまざまな運動に適応できることが強みだ」と樺山氏は話す。

同社はまず、このプロダクトを米国のフィットネスクラブやプロスポーツチームに月額課金のSaaSとして販売する予定だという。

Upliftの創業メンバーは3人。CEOの樺山氏は以前テスラの日本法人社長を務めており、モデルSが日本に進出する際に同社の陣頭指揮をとっていた人物だ。CTOのジョナサン・ウィルス氏は以前、画像認識技術に強みをもつスタートアップのLumificを創業し、2016年に同社をGoProに売却したシリアルアントレプレナー。そして、チーフ・サイエンティストのラフル・ラジャン氏は、カーネギーメロン大学で機械学習の博士号を取得している。

創業の経緯について、樺山氏は「私とCTOのジョナサンには年をとった両親がいて、介護を必要としない健康な人生を送るために、もっと早くから運動をしておけばよかったという話をよく聞く。人間がテクノロジーに合わせるのではなく、人間がストレスを感じない形で、テクノロジーが人間に合わせて機能するという世界をつくることで、運動効果を最大限にあげられる仕組みを構築したかった」と話す。そこから生まれたのが、ウェアラブル端末を使用しない運動計測技術のアイデアだった。

Upliftは2018年末までに、複数のパートナー企業とともに製品やサービスの提供を始める計画で、サービスの全貌についてもその時に明らかにする予定だとしている。

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TechCrunch Japan

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