ウェブアプリのUIテストを容易に自動化するUI-liciousがプレシリーズAで約1.6億円を調達

UI-liciousの共同設立者。最高技術責任者のユージーン・チア(左)と最高経営責任者のシー・リン・タイ氏(右)(画像クレジット:UI-licious)

シンガポールを拠点とするUI-licious(ユーアイリシャス)は、ウェブアプリケーションにおけるユーザーインターフェースのテストを容易に自動化するスタートアップ企業だ。同社はMonk’s Hill Ventures(モンクス・ヒル・ベンチャーズ)が主導するプレシリーズAラウンドで、150万ドル(約1億6000万円)の資金を調達したと、現地時間3月25日のブログで発表した。この新たな資金はUI-liciousの製品開発およびマーケティングチームの成長に使用されるという。

Shi Ling Tai(シー・リン・タイ)氏とEugene Cheah(ユージーン・チア)氏が2016年に設立したUI-liciousは、あらゆる規模の企業にサービスを提供しており、現在の顧客にはDaimler(ダイムラー)、Jones Lang LaSalle(ジョーンズ・ラング・ラサール)、技術者求人プラットフォームのGlints(グリンツ)などが含まれる。

UI-liciousの最高経営責任者であるタイ氏は、世界中のソフトウェアチームの約90%が手動テストに頼っており、時間もコストもかかっていると述べている。UI-liciousでは、ユーザーがテストスクリプトを擬似コード(平易な英語に近い言語)で書くことができるため、プログラミングの経験が少ない人でも利用できる。

UI-liciousのテストレポート機能のスクリーンショット(画像クレジット:UI-licious)

次にソフトウェアチームは、テストの実行頻度をスケジュールすることができる。UI-liciousが独自に開発したスマートターゲティングテストエンジンは、すべてのブラウザをサポートし、ウェブアプリケーションのユーザーインターフェースや根本的なコードに変更があっても、同じスクリプトを実行することが可能だ。詳細なエラーレポートも作成し、バグの発見と修正に必要な時間を短縮する。

他の自動化されたユーザーインターフェースのテストソリューションと比べて、UI-liciousはどこが違うのかと質問されたタイ氏は、次のように答えた。「コード化されたソリューションでは、訓練されたエンジニアがウェブサイトのコードを検査し、テストスクリプトを書く必要があります。問題は、ほとんどのソフトウェアテスト担当者は訓練を受けたプログラマーではなく、マーケティングチームやセールスチームの人間である場合も多いということです。プログラマーではない人がアクションを記録し、繰り返すことができるノーコードのソリューションは他にもありますが、そのようなテストはUIが変わるとすぐに使えなくなってしまう傾向にあります」。

UI-liciousのセールスポイントは「コードの書き方を知らなくても、誰もがUIテストの自動化やエラーアラートの設定にアクセスできるように設計されている」という点である。「UI-liciousでは、そのスマートターゲティングテストエンジンにより、UIコードの変更にともなうテストのメンテナンスにかかる手間も軽減します」。

Monk’s Hill VenturesのパートナーであるJustin Nguyen(ジャスティン・グエン)氏は、プレスリリースの中で次のように述べている。「共同設立者のシーリンとユージーンは、ソフトウェア自動化の業界で何十年も悩みのタネだった品質保証の問題を解決するための製品を開発しました。同チームのソフトウェアエンジニアとしての技能には、これまで手動でテストを行っていた担当者がテストを自動化し、ユーザーが利用する前にバグを検出できる、シンプルで堅牢なツールを構築するための技術的知識と洞察力が備わっています」。

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画像クレジット:UI-licious

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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