オフグリッドメッセージングのFireChatが、プライベートグループチャットをサポート

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Disrupt BattlefieldのファイナリストであるOpen Gardenが提供するメッセージングサービスFireChatが、今日メジャーアップデートを果たした。FireChatの特徴は通常のインターネット接続がなくても周囲の人々とチャットを行うことができるという点である。この新しいFireChatでは、既存のプライベートな1対1チャットと公開チャットに加えて、プライベートなグループチャットが追加された。

これらのプライベートグループには最大50人の参加が可能で、FireChatの通常のメッセージのように動作する。他のグループチャットアプリケーションと同様に、単純にグループに追加したい人を選んでテキストメッセージの送信を始めるだけである。

オフラインプライベートグループメッセージングファイア・チャット

FireChatチームは筆者に、世界中でコミュニティの広がりを見ることができると話した。「米国では、人々はFireChatを、例えばミシガンでのElectric Forest 音楽祭や、フィラデルフィアでの民主党全国大会といった大きなイベントで利用しています」と、Open GardenのCMOであるChristophe Daligaultは私に語った。「インドでは、学生や地域社会が、自分たちの自由で弾力性のある通信ネットワークを作るために利用しています。フィリピンでは、報道機関(Inquirer,、ABS-CBN、GMA News)が、他の手段では伝えられない人たちに対して、ニュース、天気、交通警報を放送するために利用しています」。

フィリピンでチームはまた、大地震の避難訓練中の警報の送信にFireChat を利用した最初の政府機関、Metro Manila Development Authority(メトロマニラ開発局)とのコラボレーションを開始した。

この新機能は簡単に見えるかもしれないが、実際は本当に難しい技術的課題であったことが判明したと、同社のCTO、Ben Teitelbaumは私に話してくれた。

「グループメンバの何人かもしくは全員がインターネットに接続されいなくてもグループメッセージングが実現できるような、FireChatのモバイルアドホックルーティング上に、プライベートグループメッセージングのメッシュを実現しました」とTeitelbaumは語る。「最大の課題の一つは、鍵の配布でした。WhatsAppやFacebook Messengerのような従来のメッセンジャーでは、クライアントは常にサーバーからグループ情報を取得することができますが、FireChat8では参加者は他のピアから直接グループ鍵、招待状、メッセージ、およびグループメンバーシップ情報を取得します」。

ところで、今年の初めに、2012の創設以来CEOとしてOpen Garden/FireChatの舵取りを続けてきた共同創設者のMicha Benolielは、新たに会長となった。同社のプロダクト管理副社長だったPaul HainsworthがCEOの役割を担う。彼がかつてSprint、BlackBerry、そしてVirgin Mobileといった会社で働いたことが、これからハンドセットに同社の製品をプレインストールして貰おうと目論むOEM戦略に、Open Gardenが必要とするテレコムの経験を与えるのだ。

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(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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