オフショア取引の闇を照らす「パナマ文書」の衝撃―文書2.6テラバイトをドイツ紙が入手

2016-04-04-panamapapers

すべてはSuddeutsche Zeitung〔南ドイツ新聞〕への1通の暗号メールから始まった。それが今や極秘ビジネス文書としてインターネットl史上最大のリーク事件に発展した。

インターネットlはいわゆるPanama Papers〔パナマ文書〕を巡って激しい興奮状態に陥っている。文書の量は約 2.6テラバイトあり、数十万のオフショア企業に関連している。リーク元は世界的には無名のパナマの小さな法律事務所、Mossack Fonseca〔モサック・フォンセカ〕だった。

多くの読者にとってパナマの法律事務所というのはピンと来ない存在だろう。しかしモサック・フォンセカのクライアントには政治家、セレブ、スポーツ選手、これまでもスキャンダルの中心的存在と目されてきた組織などが多数含まれている。

パナマ・ペーパーズによって暴露された情報の中には、 ウラジミール・プーチンの10億ドルのオフショア資産、アイスランドの首相が持つタックス・ヘイブンではないかとの疑惑に包まれた私企業、そして最近のスキャンダルの常連である国際的サッカー運営組織、 FIFAが含まれている。FIFAの場合、幹部は個人としても文書中に登場する

ドイツの当局は2年前からモサック・フォンセカ法律事務所と犯罪組織のつながりに気づき、捜査を進めていた。Suddeutsche Zeitungの記事によれば法律事務所の内部告発者が情報を当局に売り渡していた模様だ。

捜査の進展とともに複数のヨーロッパの銀行が罰金を課せられ、捜査情報は世界の当局と共有された。

しかし今回のリークは桁外れだ。WikiLeaksが暴露したアメリカ国務省の文書エドワード・スノウデンのNSA文書などとは比較にならないほどの重要性を持つ。 ミュンヘンを本拠とするSuddeutche紙はICIJ(International Consortium of Investigative Journalists=調査ジャーナリストの国際コンソーシアム)と協力して世界各地の100人以上のジャーナリストのを動員して調査を進め、文書の背景調査と裏付けを行ったという。

Suddeutsche Zeitungの調査報道チームのメンバー、Bastian Obermayer〔バスチャン・オーバーマイヤー〕によれば、この調査にはフランスのLe Monde、イギリスのBBCとThe Guardianも加わっているという。

ICIJのディレクター、Gerard Ryleは「まず最初の感想として、われわれは過去に思いがけず大事件に発展した報道を何度も手がけてきたが、それらに比べても今回の事件ははるかにビッグだ」と述べた。

一方、BBCは関連記事で文書のr概要を以下のように紹介している。

  • パナマのMossack Fonseca法律事務所が所有する1100万件の文書がドイツの新聞、Suddeutsche Zeitungに渡った。同紙は情報をICIJ(International Consortium of Investigative Journalists)と共有して調査を進めている。BBCパナマ支局と他の78カ国107のニュースメディアも文書の分析に加わった。BBCは文書をリークした人物の身元に関する情報を持っていない。
  • 文書はこの法律事務所がいかにしてクライアントのマネー・ローンダリング、課税や捜査の回避を助けたかを明らかにしている。
  • Mossack Fonseca法律事務所は40年にわたってまったく潔白な業務を続けてきたとしている。同事務所はこれまでに刑事事件に関連して捜査されあるいは訴追されたことはない。

文書には世界的に悪名高い独裁者、腐敗した権力者、たとえばエジプトのホスニ・ムバラク前大統領、処刑されたリビアの独裁者、ムアマル・カダフィ、シリアの現大統領、バシャール・アルアサドなどが含まれるという。

Suddeutsche Zeitungの調査報道チームの記者、Frederik Obermaierは「〔この文書の分析で〕いかに多数の人間が関係しているかが明らかになってきた。独裁者もいれば日本のヤクザ、シシリーのマフィア、ロシア・マフィア、武器商人、麻薬密売人、ペドフィルなどあらゆる人物が含まれる。わずか一つの法律事務所の文書が公開されただけで、今後どれほどの悪事が暴露されることになるのか、緊張を感じずにはいられない。…すべてはこのSuddeutsche Zeitungで始まった」と述べた。

画像: Matt Straubmiller/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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