オンデマンドの避妊ピル配達サービス「Nurx」がUnion Square Venturesから530万ドルを調達

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避妊ピルが切れたって?Nurxは避妊ピルをものの数時間で自宅まで届けてくれるWebプラットフォームだ。その同社は今回、Union Square VentureからシリーズAで530万ドルを調達したことを発表している。

2014年に創業のNurxを利用すれば、避妊ピルが無くなっても新しい処方箋を待つ必要がなくなる。今年初めにはHIV予防薬のPrEPの取り扱いも開始し、LabCorpとパートナシップを結ぶことで、検査結果の入手するプロセスを簡易化し、HIV予防薬を効率的に配達することができるようになった。

避妊ピルを入手する方法はとてもシンプルだ。まず、Webアプリにログインして、いくつかの質問に答えて情報を打ち込んでいく。すると、その情報が同社のネットワークに加入している医師の元に送られ、すぐにその医師が処方箋を用意する。そしてNurxが避妊薬をユーザーの元に届けるというわけだ。親しみやすい配達員が自宅のドアまで届けてくれる。薬局に行く必要もなければ、医師のオフィスで待ちぼうけを食らうこともない。

Nurxの競合にはPillPackZipdrugなどの医薬品の配達サービスがある。他にもL.Condomsなどがあり、この企業は名前の通りの製品を配達するサービスだ。しかし、避妊薬という分野ではNurxは群を抜く存在だ。

「ヘルスケアの分野には、どんな研究よりも人々が求めているものがあることに気づいたのです。避妊薬は確実にそのうちの1つです」と共同創業者のHans GangeskerはTechCrunchとのインタビューで語る。「どの人に話を聞いても、友達の友達が緊急で避妊ピルが必要になったというようなエピソードを聞かせてくれたのです」。

避妊薬だけにフォーカスすることで、Nurxはこれまで着実なペースで成長することができたと彼は話す。しかし、今後は苦しい戦いが待っているかもしれない。数百万人の女性を対象に行った調査によって、避妊薬がうつ病を引き起こす可能性があることが分かったのだ。しかし、Nurxでは避妊ピルの代わりに利用できるNuva Ringやパッチなども扱っており、どれを使うかはユーザーの好み次第だ。

そのどれを使うにしろ、Nurxのビジネスモデルは優れており、簡単に他の処方箋薬向けにもビジネスを拡大することができる。彼らがPrEPを取り扱い始めたのがその例だ。結局のところ、人々は毎月のように処方箋を必要としていて、どこかに取りに行くよりも家まで届けてくれた方が便利であることは間違いない。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

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TechCrunch Japan

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