オンライン秘書サービス「nene」運営が資金調達、法人向けは質で挑む

オンライン秘書サービス「nene(ネネ)」運営のneonは7月8日、3500万円の資金調達を実施したと発表。調達先は非公開。今回が同社にとって初の資金調達となる。調達した資金をもとに、2018年10月設立の同社はneneのサービスを強化し、本日より開始した法人向けサービスの拡大を目指す。

neneはLINEを使い仕事を依頼することで秘書が代行してくれるサービス。

2018年12月よりサービスを開始した個人向けのneneでは、「会食におすすめなお店探し」や「旅行先の手配」などを代行してくれる。

法人向けでは、競合調査、市場調査を行いリスト化するなどといったリサーチ業務や、文字起こし、データ入力などに対応。今後は、人事業務に介入し従業員の勤怠管理をしスカウトメールを送ったり、一次面接までの日程調整を行うなどといった、採用関連の業務にも対応できるようにする。個人向けと違い、法人向けではLINE以外にもChatwork、Slack、メール、Facebookメッセンジャーが利用できる。

料金プランはカスタマイズ可能だが、基本的には時給2500円程度。実際に秘書が稼働した時間を利用初月に記録し、利用社に対し2ヵ月以降の料金を提案する。代行は9時から24時まで対応可能だ。

neneの競合として挙げられるのはオンラインアシスタントサービスの「CASTER BIZ(キャスタービズ)」など。neonのCOO、矢澤佑紀子氏いわく、同社は「対応の質の振れ幅の小ささ」で競合に挑んでいく。

「neneでは、私たちが雇用している正社員が対応している。対応の質のブレは基本的にほぼ無いと考えていただきたい」(矢澤氏)

neonは宮崎県にオフィスを構えており、そこには秘書業務を行う社員が在籍している。その社員たちは業務を的確にこなせるよう、ビジネスマナーを始めとし、メール文章の打ち方、(チャットを使っているため文章が長くなりすぎてはいけないので)文章のまとめ方、そして的確なリサーチを最短の時間で行う方法などに関する研修を受けている。

宮崎を選んだ理由は「助成金制度が整っており、かつ人件費が安い」から。矢澤氏ならびに代表の百合草諒氏は宮崎とは縁もゆかりもないが、neonは誘致企業として宮崎で雇用を創出することに意欲的だ。

neonの宮崎オフィスには現在、10名ほどの社員が在籍し秘書業務を行なっているが、調達した資金をもとに年内には20名ほどに増やしていく。また、同社では個人向けneneのアプリを開発中のほか、新サービスの展開も考え始めている。

矢澤氏いわく、neneのサービスを展開する中、「人のあたたかさ」に関するフィードバックが多かった。そのため、「例えば独居老人とのコミュニケーションに特化したサービスを展開すれば日本の家庭に安心を与えられるのでは、という話がでている」(矢澤氏)

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TechCrunch Japan

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