カメラが楽しいiPhone 13 / 13 Pro、12からの乗り換えも「アリ」な理由

カメラが楽しいiPhone 13 / 13 Pro、12からの乗り換えも「アリ」な理由

iPhone 13シリーズ4モデル(iPhone 13、iPhone 13 mini、iPhone 13 Pro、iPhone 13 Pro Max)を試す機会を得た。

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4モデルをあれこれ使って比べてみたが、改めてiPhoneは「カメラが楽しい」と思えるスマートフォンだと認識した。

9月15日未明に行われたスペシャルイベントでは動画撮影での「シネマティックモード」がやたらとアピールされていた。手前にいる人物にピントが合っているが、奥にいる人物のほうを向くと、奥の人物にピントが合うというシーンが繰り返された。

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あれを見て「別にiPhoneで映画なんて撮らないし」と思った人も多いのではないだろうか。

確かに「シネマティック」といわれれると、自分には縁遠い機能にも感じてしまう。しかし、実際に使ってみると、これが意外と楽しいのだ。

「シネマティック」というが、実際は背景がボケる静止画のポートレート撮影が動画にも対応したというのに近いかも知れない。iPhone 13シリーズでは被写体との深度もきちんと把握している上で動画撮影を行っている。

通常のビデオ撮影では深度が深く、手前も背景も比較的、しっかりととらえている感があるが、シネマティックモードにすると被写体にきっちりとピントがきて、背景がボケる感じが強調される。まさに動画版のポートレート撮影といった感じだ。カメラが楽しいiPhone 13 / 13 Pro、12からの乗り換えも「アリ」な理由

イベントでは人物が振り向くことで自動的にピント送りされる機能がアピールされたが、実際にはそんなシーンは日常生活ではあまりない。ただ、iPhone 13では画面をタッチすれば、そこにピントが合う一方、別の場所はかなりボケた感じになってくれる。カメラが楽しいiPhone 13 / 13 Pro、12からの乗り換えも「アリ」な理由

使っていて「すごい」と感じたのが、撮影した後の動画でも、自由にピントの合う場所を変えることができてしまうのだ。

実際に4歳11ヶ月の子供を撮影してみたが、背景にいる他人がボケて、子供だけにフォーカスが合う動画になるのは、ちょっとカメラ撮影が上手くなった感がある。

SNSで動画などをあげる際に、背後に映っている人が気になり、場合によって編集でぼかしを入れるなんてことも必要になるが、シネマティックモードならそうした手間も不要になる。もちろん、通常通り、背景もしっかりと記録しておきたい映像を撮りたいのならば普通のビデオで撮影すればいい。

アップルはこのシネマティックモードをiPhone 13 Pro、iPhone 13 Pro Maxだけでなく、ノーマルのiPhone 13、iPhone 13 miniにも搭載している点が太っ腹だ。より多くの人がシネマティックモードを楽しめるだろう。

ドコモの「衝撃的」購入補助で「iPhoneを毎年買い替える」が容易に

ただ、今年のiPhone 13は去年のiPhone 12と比べて小粒な進化にとどまっている感は否めない。「今年はスルーしようかな」という人もいるのではないか。

しかし、そんな空気を察知したのか、アップルとキャリアはいままで以上に気軽に機種変更できるような施策を打ち出している。

ここ数年、総務省が端末販売に対しての割引を規制しているため、スマートフォンの買い換えがしにくくなった。昨年、各キャリアで5Gが始まったにもかかわらず、5Gへの盛り上げに水を指す結果となりつつある。

そんななか、アップルはこの数年、iPhoneを購入する際、「下取り」を推している。Apple Trade Inという仕組みを紹介し、今使っているiPhoneを下取りに出しつつ、新しいiPhoneを購入する際に割引するというものだ。

海外のアップルストアではかなり前から当たり前のように展開されていたが、日本のアップルのサイトではこの数年で見かけるようになった。端末販売の割引が厳しくなる中での苦肉の策と言えるだろう。

今年、最も衝撃的なのは、NTTドコモが購入プログラムを変更してきた点だ。

いつでもカエドキプログラム」は、スマートフォンのモデルごとに残価が設定され、24回目の支払いをするか、しないで端末を返却して残価を免除してもらうかが選べるプログラムだ。しかも、2年よりも前に機種変更したかった場合、「早期利用特典」として、返済額から月に数百円から1500円程度まで割引をしてくれる。

カメラが楽しいiPhone 13 / 13 Pro、12からの乗り換えも「アリ」な理由
ソフトバンクや楽天モバイルでは、48回払いのうちの24回払い、つまり本体価格の半額は支払う必要があるが、いつでもカエドキプログラムであれば、本体の回収が前提となるが、もっと手軽な負担で最新機種を持つことが可能になる。

我々のような1年に1回、iPhoneを買い換え続ける人には十分、検討に値するプログラムだ。

これまでは、1年後に中古業者に買い取ってもらうことを考慮しながら、iPhoneを使うということをしていてたため「買い取り金額を下げないためにも絶対に傷を一つもつけない」と意識しながら1年間、過ごしてきたが、いつでもカエドキプログラムであれば、ちょっとした傷なら目をつむって回収してくれる。これだけでもいつでもカエドキプログラムを使う意味があるというものだ。

アップルやキャリアの取り組みを見ていると、もはやiPhoneは「1年もしくは2年使ったら回収されるもの」という認識で購入というか入手した方がいいのかも知れない。最新モデルを使い続けたいのであれば、そうした買い方を工夫していくのが賢いだろう。

世間で流行のSDGs的な見方をすれば、回収されたiPhoneは整備されて、「整備済みiPhone」として売られていく、いまではauやUQモバイルのオンラインショップで整備済みのiPhoneが売られるようにもなっている。リユースの観点からも「最新モデルを使いたい人は一目散に買い、1年経ったら回収してもらい、それを別の人が使う」という流れが地球にも優しかったりするのだ。

そうした「1年後の下取り前提で、最新のiPhone13を入手する」という買い方が、今の時代に合った買い方なのかも知れない。

(石川温。Engadget日本版より転載)

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TechCrunch Japan

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