カレンダーアプリ「Fantastical」がプライバシーファーストのミーティングスケジュールのリンク共有を可能に

人気のカレンダーアプリ、Fantastical(ファンタスティカル)の開発元であるFlexibits(フレクシビッツ)は、スケジューリングを便利にする新機能をいくつか追加した。この分野は、Calendly(カレンドリー)が支配しているようだが、Flaxbitsはアプリの「Opening(オープニング)」機能を、プライバシーファーストのスケジューリング機能だと強調している。そして、もちろん新機能はFantasticalに直接組み込まれ、別のツールやサービス、サブスクリプションなどは不要だ。

Fantasticalアプリをバージョン3.6にアップデートすると、設定パネルにいくつか新しいオプションが追加されている。これらの新機能はmacOS、iOS、およびiPadOSで利用できる。標準設定では、Openingは有効になっていない。使用するためには自分で設定する必要がある。

「オプトインするのはあなた自身であるべきです、データはあなたがコントロールします」とFlexbitsの共同ファウンダーであるMichael Simmons(マイケル・シモンズ)氏が私に話した。

Opening機能を有効にすると、Fantasticalに設定済みのカレンダーアカウントに直接つながる。自分の予定が空いているかいないかを決める真の情報源として使うカレンダーを選ぶことができる。

「アプリはあなたのFantasticalデータベースを調べて、日付と時刻だけを取ってきます」とシモンズ氏は言った。Flexibitsはイベントの名前や招待客のリストには触れない、なぜなら機能を果たすために必要のない情報だからだ。

その後、ユーザーはさまざまなイベントのタイプを設定する。例えば、月曜日と水曜日の午前に営業電話の予定を入れたければ、その日の午前9時から午前11時までの間に営業電話をかけるイベントテンプレートを作る。

イベントタイプには、タイトル、説明、所要時間、リンクなどいくつかのオプションがある。また、Fantasticalのミーティングリクエストを自動的に承認するか手動で承認するかも設定できる。

ご想像のどおり、イベントのリンクを取得してメールやWhatsAppメッセージ、ウェブサイトでもシェアすることができる。そのリンクをクリックした人は、いつあなたの予定が空いているかを見て、時刻を選んでミーティングをリクエストできる。

画像クレジット:Flexibits

自動承認を有効にしておくと、ミーティングをリクエストした人のカレンダーに招待状が届く。ミーティングをリクエストするためにFantasticalを使う必要はなく、アカウントを作る必要もない。

スケジュール調整はウェブではなくアプリ内で行われる。誰かがあなたとのミーティングをリクエストすると、Fantasticalアプリがミーティング(のイベント)を作成し、他の出席者を招待する。

もし、あなたがCalndlyなどの類似ツールをすでに使っていたら、今まで通りのワークフローを続けたいに違いない。しかし、もしあなたがFantasticalユーザーで、Calendlyライクなリンクを使いたいなら、FantasticalのOpeningを使うほうがずっと簡単だろう。

その他の改善点

Fantasticalは「Proposals(プロポーザル、提案)」と呼ばれるスケジューリング機能も提供している。アプリ内で複数回数、複数日時のイベントを作れる機能だ。会社はこの機能を密かに改善し、Doodle(ドゥードゥル)の対抗品へと作り変えた。

これからはイベントプロポーザルを複数の招待者に送ることができる。招待者はウェブページで投票できる。あなたはアプリを使って最適な日付と時刻を確認し、コメントを読んでプロポーザルをカレンダー・イベントに転換できる。スクリーンショットを見てもらうほうがずっと簡単だろう。

画像クレジット:Flexibits

スケジューリング機能に加え、Fantastical 3.6には新たに四半期ビューができた。四半期ビューは、好みによって四半期の最初の日から始めることも、現在の週から始めることもできる。

数年前、Flexibitsはフリーミアムモデルに切り替え、全機能のロックを解除する有料サブスクリプションを提供した。OpeningsやProposalsなど高度な機能のほとんどは、利用にサブスクリプションが必要だ。現行の料金は年額39.99ドル(約4600円)、月額4.99ドル(約576円)。

Flexibitsは、App Storeで多くのネガティブコメントをつけられたことがあるが、プロダクトとビジネスの転換はうまく行っているようだ。

チームは6人から18人へと3倍に増えた。これまでに同社は、かなりの数のアップデートを発行しており、サブスクリプションにはCardhop(カードホップ)アプリが加わった。

マイケル・シモンズ氏は売上数値を明らかにしなかったが「数百万の人たち」がFlexibitsアカウントを作って無料トライアルを始めたと語った。もちろん、この中でサブスクリプションのアクティブ利用者はこのユーザーベースのごく一部だけだ。

Flexibitsは、さまざまなタイプのマーケットに対応する方法についても考えている。たとえば同社はチーム向けのFlexibitsを開発している。第一に、多人数のグループや従業員向けにライセンスを購入できるチーム・アカウントが導入される。アプリにはチーム向け機能のための場所も用意されているが、まだ完成していない。

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画像クレジット:Flexibits

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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