カーネギーメロン大学が開発した小型ロボ探査車がNASAのテストに合格、来年には月面へ

カーネギーメロン大学(CMU)は、月面でロボット探査車を活動させることに、また一歩近づいた。同大学の小型ロボットが、重要なNASAの設計評価テストに合格したのだ。このテストは、NASAとAstrobotic(アストロボティク)が共同で実施したもの。Astroboticの月着陸船であるPeregrine(ペレグリン)が2021に計画されているミッションで、このロボットを月面まで運ぶことになっている。

設計評価テスト合格の前提としては、プロトタイプから実際にフライト可能な探査車に移行する段階で、CMUチームが実装することにしていたいくつかの設計変更が含まれていた。もともとは今夏に実施する予定だったものだ。変更後のバージョンは、打ち上げと月への飛行に耐えられるようストレステストを通過させる予定となっていた。その探査車自体が壊れないようにするのはもちろんだが、Peregrine着陸船に積み込まれる他の機材にも悪影響を与えないようにしなければならない。Peregineは、NASAの要求に従って各種の実験機材を月面まで輸送するのだ。

CMUの探査車はIris(アイリス)と呼ばれている。重量は約4ポンド(約1.8kg)で、大きさはちょっと大きめのトースターほどのもの。それでも、月面を探索する最初の米国のロボット探査車になるという名誉が与えられることになる。最終的に、これが「CubeRovers」への道を切り開くことになるだろう。比較的安価で小型の探査車シリーズで、公、民を問わず、一連の科学的な調査、挑戦に低予算で貢献できるもの。

Irisには4つの車輪があり、2つのビデオカメラを搭載している。このロボットの装備としては、それがメインのセンサーだ。カメラの小型化により、小型のロボット探査プラットフォームを使って、高品質の画像や動画データを収集するのが、かなり容易になった。これは、Astroboticのような企業にとっては素晴らしい展開だ。同社も、Peregrineのような軽量で安価な着陸船を使って大気圏外の宇宙を探査するという、民間企業としてまったく新しい市場に打って出ようとしている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)