カーネギーメロン大学のチームがハグするソフトロボットを編み機で制作

人がロボットやオートメーションを恐れるのは、おそらくかわいくないからだ。かわいさは、発展しつつあるソフトロボティクスの分野においてまだ探求されていない側面である。カーネギーメロン大学のチームは編み機を使ってソフトロボットを作ることで、この課題に挑戦している。

かわいさはさておき、この挑戦の本当の目標は、コストがかからず危険性が低く、場合によってはウェアラブルになるロボットのフォームファクターを設計することだ。研究チームは腱を追加する自動化プロセスを設計している。腱によって、動きをつくるための固いモーターをつなぐことができる。たとえば「おなかをつつくとハグするぬいぐるみや、袖が自動で動くセーター」などが冗談ではなくなる。

研究が進めば将来的には、衣類用の市販の編み機で作れる、さらに本格的なソフトロボティクスにつながるかもしれない。

カーネギーメロン大学の博士課程の学生、Lea Albaugh氏はリリースの中で次のように述べている。「私たちの生活の中にある柔らかい物体の多くが、この技術を使えばインタラクティブになる可能性がある。衣類が個人情報システムの一部になることが考えられる。たとえば注意が必要なときにセーターが肩を叩いてくれるかもしれない。椅子の布が触覚インターフェイスにもなり得る。リュックサックが自分で開くようになるかもしれない」。

これは、これまでにもあった3Dプリンタなどの付加製造法の一種であるともいえる。腱として使える可能性のある素材には、ポリエステルが巻かれたキルト糸、絹糸、ナイロンの単繊維などがある。一方、導電糸を使えばロボットに動きの感覚を与えられるかもしれない。

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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