カーボンオフセットAPIのPatchがa16zのリードで4.8億円調達したことを正式発表

カーボンオフセットAPIを開発するPatch(パッチ)が450万ドル(約4億8000万円)の資金を負債調達した。同社は企業が自社の炭素排出量を計算し、排出量に見合ったオフセットプロジェクトを見つけて資金提供するのを支援するサービスを販売している。

TechCrunchの既報どおり、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)がラウンドをリードし、既存出資者のVersionOne VenturesMapleVCおよびPale Blue Dot Venturesも参加した。

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PatchのAPIは、社内と消費者向けサービスの両方で使用できる。企業は同社のコードを社内向けサイトのユーザー体験に組み込むことで、社員の出張フライトなどを追跡し、出張による炭素排出を相殺するカーボンクレジットの購入を推奨、管理することができる。

このソフトウェアでは、大気中の二酸化炭素除去を支援するプロジェクトのうち、どこち出資するかを選ぶことができる。出資対象のプロジェクトは、実証済みの森林再生・保存プロジェクトから、直接空気補足・隔離プロジェクトのような早期段階の高度技術まで多岐にわたる。

Patchの共同ファウンダーであるBrennan Spellacy(ブレナン・スペラシー)氏とAaron Grunfeld(アーロン・グランフェルド)氏の2人は、アパート賃貸サービスSonderの元社員で、Patchのカーボンオフセット事業は同社のサービスを利用する企業の脱炭素化の代替手段ではないことをインタビューの中で強調した。むしろ彼らのサービスは、企業が事業運営における化石燃料依存からの脱皮に必要なその他の作業を補完するものだと考えている。

Patchの共同ファウンダー:ブレナン・スペラシー氏とアーロン・グランフェルド氏(画像クレジット:Patch)

Patchは現在11社の二酸化炭素除去プロバイダーと提携しており、第1四半期末までにさらに10社を加える計画だと同社は述べている。例えばプロバイダーの1つであるCarbonCureは、二酸化炭素をコンクリートに注入、固定することで、建造物が存続する限り二酸化炭素を建材の中に埋め込む。

「二酸化炭素除去クレジットは、CarbonCureのようなテクノロジーの普及を劇的に加速する可能性があり、気候変動対策の目標達成にとって極めて重要です。質の高い恒久的なクレジットの需要は急速に高まっており、Patchのリストに載ることで、幅広い顧客を呼ぶことができます」とCarbonCure TechnologiesのJennifer Wagner(ジェニファー・ワグナー)社長が声明で語った。

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Patchのサービスを利用している企業はすでに15社ほどある、とTechCrunchは報じている。利用者にはTripActionsの他、未公開株式投資会社のEQTのようにPatchのAPIの利用を自社だけでなく、投資先企業にも拡大する予定の会社もある、とスペラシー氏は語った。

グランフェルド氏は、調達した資金は社員増と新商品開発に使うつもりだと述べた。現在社員は6名で、年末までに24名追加する予定だ。

会社の拡大に合わせて、Patchは炭素排出監視・検証サービスを提供するスタートアップを、同社のAPIを統合して販売するチャンネルにすることを検討している。CarbonChainPersefoni、 あるいはY Combinator卒業生のSINAI Technologiesといった会社のことだ。

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「ますます多くの企業が、地球温暖化防ぐための排出量削減の取組みでリーダーシップをとっています」とAndreessen HorowitzのマネージングパートナーであるJeff Jordan(ジェフ・ジョーダン)氏はいう。「Patchは、企業が中核事業プロセスに炭素除去を組み込むことをより簡単なものにし、認証済みの炭素除去業社を集め、実装が容易なAPIを通じて企業に簡単に利用できるソリューションを提供しています」。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:PatchAndreessen Horowitzカーボンオフセット資金調達

画像クレジット:Christopher Furlong / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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