ガーデニングに特化した英国のマーケットプレイス「Sproutl」はアドバイスやアドバイスで園芸をもっと身近なものに

Sproutl(スプラウトル)は英国に住む園芸好きのためのマーケットプレイスで、アパレルeコマースのFarfetch(ファーフェッチ)の元幹部たちが創業した。このほど同スタートアップは900万ドル(約10億円)のシードラウンドを完了した。さまざまな用品やアドバイス、アイデアなどを提供してガーデニングをもっと身近にすることが目的だ。

シードラウンドをリードしたのはIndex Ventures(インデックス・ベンチャーズ)で、Ada Ventures(エイダ・ベンチャーズ)といくつかのビジネスエンジェルが参加した。この調達ラウンドは2021年4月に完了している。

「数年前、私たちはロンドンで小さな庭のある家を買いました。2人ともフルタイムで仕事をしていて小さな子どもがいます。この庭でガーデニングを始める方法があるだろうと思ってネットを探しました。私にはガーデニングの知識はほとんどありません。そして、新人園芸家に必要なものは何もないことを知りました。あるのは、もっと詳しい人たちのための情報ばかりだと感じました」と共同ファウンダーでCEOのAnni Noel-Jonhson(アニ・ノエル-ジョンソン)氏はいう。

YouTubeでガーデニングの動画を探したことのある人なら、自分には何の役にもたたない説明のついた長尺動画を見るはめになったことがあるだろう。同様に、ガーデニングに特化したeコマースサイトもあまりない。

しかしその市場機会は相当大きい。英国だけでも園芸好きは何百万人もいる。そして系列に属さないガーデンセンターや園芸店などもたくさんあり年間数百万ポンド(数億円)の売上がある。さらに重要なのは、売上のほとんどが実店舗によるものだということで、一度もオンライン販売をしたことのない店もある。

Sproutleはそんな店舗と手を組み、英国全土から新規顧客を見つけられるようにした。参加する店舗は商品リストをSproutlに登録すれば、Sproutlが梱包材料の手配や流通、配達などを引き受ける。

マーケットプレイスでは、屋内、屋外用植物、植木鉢、園芸用具、アウトドア生活用品などを買うことができる。現在のパートナーは、Rosebourne(ローズボーン)、Polhill(ポルヒル)、Millbrook(ミルブルック)、Middleton(ミドルトン)、Fertile Fibre(ファータイル・ファイバー)、Horticus(ホーティカス)などだ。

CEOのアニ・ノエル-ジョンソン氏はFarfetchで取引・戦略担当副社長を務めた。CTOのAndy Done(アンディー・ドーン)氏もFarfetchに在籍したことがありデータエンジニアリング担当ディレクターだった。

そして、Holie Newton(ホリー・ニュートン)氏もSproutlの重要メンバーになる。かつてベストセラーのガーデニング本「How to Grow」を書いた人物で、現在はSproutlの最高創造責任者だ。

このことはSproutlの成長戦略を理解する上で重要だ。同社はみんなの庭に関係するあらゆるものに関するコンテンツを提供しようとしている(すでにジャーゴン・バスター[専門用語や隠語の解説]を公開済)。今度Googleでガーデニングのアドバイスを探した時にはSproutlが見つかるかもしれない。

さらに同社は、Amazon(アマゾン)などの全方位eコマースプラットフォームとの差別化をはかろうとしている。ManoMano(マノマノ)のように1つの分野に特化した他のEコマース企業はかなりの成功を収めいてる。方向が正しければ、Sproutlはひいきの顧客もすぐに集められるかもしれない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Sproutl園芸資金調達イギリス

画像クレジット:Sproutl

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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