キャッシュマッチングと債権回収作業の効率を、機械学習で最大70%向上させるRimiliaが2500万ドルを調達

現在大企業では、キャッシュマッチングと、債権の回収という仕事を行なうために、大規模な会計チームを必要としている。これは大きく手作業に依存する作業だ。一部のERPベンダー(特にSAP)はこのための独自のモジュールを持っているが、この世界の大規模なプレイヤーとしては、ドイツ国内とSAPのエコシステムに焦点を当てたHanse Orgaや、米国のHighRadiusBilltrustなどが挙げられる。しかし、こうした仕事の大部分は機械学習で実行可能なものだ。ということで、会計士たちは要注意だ、何故なら新顔がやってきて仕事を奪い取るかもしれないのだ。

Rimiliaは、プロセス全体をほぼ自動化しながら、キャッシュマッチングと債権回収の質とスピードを向上できると主張している。そしてその拠点はシリコンバレーでもなく、ロンドンでもない。2008年にブートストラップして以来、収益を上げて経営してきたが、今回成長資金として2500万ドルを調達した。このラウンドは、ロンドンを拠点とするファンドであるKennet PartnersEight Roads Venturesによって、主導されたものだ。両ファンドとも成長資金ラウンドでは知られた存在だ。

調達資金は、ヨーロッパと米国で拡大するために使用される。またこの調達資金の一部を使ってチーム規模を倍にする計画もあり、かつ経験豊かなSAASプレーヤーであるKarl Campbellを取締役会のチェアマンに迎えた。

Rimiliaの主力製品であるAlloc8 Cashは、機械学習を使用して、請求書と受け取った支払いの照合を行い、必要とされる手作業を軽減する。もう1つの製品であるAlloc8 Collectは、どの顧客の支払いに着目すべきかの優先度付けを行う予測分析を用いて、未回収の債権残高を管理する。Rimiliaは、どちらの製品も効率を最大70%向上させると主張している。

Avis、日立、Santander、そしてTravis Perkinsを含むヨーロッパと米国各地に広がる顧客のために、同社は現在英国のBromsgrove中部イングランドの本社に、70人以上の従業員を雇用している。

取締役会に加わる予定のKennet PartnersのディレクターであるHillel Zidelは、次のように述べている「Rimiliaは外部資金を調達しないまま、設立以来急速に成長してきたブートストラップの成功例です。各企業は、インテリジェントな自動化への投資の優先順位をますます高めています。私たちRimiliaがオートメーション分野のグローバルリーダーになる絶好のチャンスを握っていると確信しています」。やはり取締役会に参加するEight Roads Venturesの欧州本部長であるDavor Hebelは、次のように述べている「Rimiliaは、中部イングランドに設立され本物の問題を解決している、英国テクノロジーシーンの隠された宝石です」。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: GMUTLU/ISTOCK

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TechCrunch Japan

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