クアルコムが自動車用クラウドサービスでアップデートや遠隔測定をネット化

Qualcomm(クアルコム)が米国時間1月6日、同社のCar-to-Cloud(カーツークラウド)サービスを発表した。その名のとおり、クルマをクラウドに接続するこのサービスは、同社初となる自動車のコックピットプラットフォームとSnapdragon自動車プラットフォームを、4Gと5Gサポートで統合する製品だ。

このプラットフォームにより、自動車メーカーは自分のクルマをアップトゥデートに保ち、クラウド上のインフォテインメントプラットフォームも最新状態を維持できる。さらにまた、このサービスを使って自動車とその使われ方のアナリティクスを集められる。Qualcommによると、自動車メーカーはクラウドを介してさまざまな有料サービスを提供できるため、売上機会も増やせるという。

クルマの所有という概念が変わりつつあり、またドライバーが期待するものも変わってきた。今ではアップデートできるインフォテインメントシステムが新車の標準装備になりつつあるが、そのアップデートはディーラーのWi-Fiで行われている。Qualcommは、自分たちのCar-to-Cloudサービスを使えばアップデートは確実になり、また、そのデプロイも迅速になり、アップデートのコスト効率が良くなるとも主張している。さらに、こんなクラウドチャネルがあれば、カーシェアリングやCar-as-a-Service(CaaS)などのコネクテッドサービスやオンデマンドサービスといった分野で新しいプロダクトがどんどん登場してくる、とQualcommはこのクラウドプラットフォームを売り込んでいる。

ドライバーには、もっと個人化された体験が提供できるようになる。高級車には今でもパーソナライズ機能はあるが、今後は大衆車にも浸透してくる。さらにQualcommの売り込みでは、自動車メーカーやディーラーなどが独自のコンテンツやアプリやサービスを販売できるようになり、ここでも売上機会が増える。

Qualcomm Technologiesの製品管理担当上級副社長のNakul Duggal(ナクル・ダガル)氏は「Qualcomm Car-to-CloudServiceを、Snapdragon Automotive 4G and 5G PlatformsとSnapdragon Automotive Cockpit Platformsに結びつければ、自動車メーカーとティア1のサプライヤーに力を与えて、今日の見識あるクルマのオーナーの期待に応えることができる。現代の自動車保有者はテクノロジーの柔軟で継続的なアップデートに慣れており、車の生涯時間の間にさまざまな新しい機能を自ら進んで経験する」と語る。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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