クラウドのデータを保護するCyralが約12億円を調達

画像:Colin Anderson Productions pty ltd / Getty Images

米国時間1月16日、クラウドのリポジトリに保管されたデータを保護するアーリーステージのスタートアップのCyralが、シリーズAで1100万ドル(約12億1000万円)を調達したと発表した。同社はこれまでにエンジェル投資で410万ドル(約4億5000万円)を調達していたことも明らかにし、調達の合計額は1510万ドル(約16億6000万円)となった。

シリーズAを主導したのはRedpoint Venturesで、A.Capital Ventures、Costanoa VC、Firebolt、SV Angel、Trifecta Capitalも参加した。

Cyralの共同創業者でCEOのManav Mital(マノブ・ミタル)氏は、同社の製品はデータベース、データレイク、データウェアハウス、その他のデータリポジトリといったクラウドのデータリポジトリ上のセキュリティレイヤーとして動作し、構成の欠陥や異常なアクティビティなどの問題を特定するのに役立つと語る。

ミタル氏によれば、Cyralは同種のほとんどのセキュリティデータ製品のように、データに何かが起こっていることを示す信号を検出しようとするエージェントやウォッチポイントを使用するのではなく、データに直接アタッチされるセキュリティレイヤーだという。

「Cyralのイノベーションの核となっているのは、可視化されたレイヤーをデータのエンドポイントと、アプリケーションサービスとユーザーがエンドポイントと通信するインターフェイスに直接アタッチし、リアルタイムで通信を確認できるようにすることだ」とミタル氏は説明する。

同氏は例として、誰かが突然クレジットカードのデータをスキャンし始めたり、暗号化されていない接続でデータベースにコネクトしようとしているのをCyralは検知できると語る。こうしたケースにおいてCyralは、問題を検知し、構成に応じて顧客のセキュリティチームが問題に対処できるようにアラートを送信したり、セキュリティチームに通知する前に自動でデータベースへのアクセスを遮断したりする。

Cyralはまだアーリー段階で、従業員は15人、アーリーアクセスの顧客が少数いるだけだ。ミタル氏は今回のラウンドは、設計に優れ使いやすいプロダクトの構築に取り組むためのものだと述べている。

ミタル氏は人々が抱えている問題を解決しようとしているのだという。「どの企業もこうした問題について心配している。だから関心を持ってもらうことは難しくなかった。とにかく我々は優れた製品を作っていきたい」。

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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