クラウドゲームShadow運営のBladeを仏クラウドホスティングOVHcloud創業者が買収

クラウドゲーミングサービスのShadowを提供するフランスのスタートアップBladeが、裁判所の命令によりOctave Klaba(オクターブ・クラバ)氏のファンドに買収された。クラバ氏はフランスのクラウドホスティング企業OVHcloudの創業者として知られている。同氏はOVHcloudではなく、投資ファンドのJezby Venturesを通じてBlade(とShadow)を買収した。

Shadowはゲーマー向けのクラウドコンピューティングサービスだ。ユーザーは月額料金を支払うことで、データセンター内のゲーミングPCにアクセスできる。このゲーミングPCには自分のコンピューター、スマートフォン、タブレット、またはスマートテレビから接続できる。画面にはビデオストリームが配信され、操作はサーバに中継される。

Google StadiaやAmazon Luna、さらにはNVIDIA GeForce Nowとは異なり、サーバーには好きなゲームをインストールできる。Windows 10のインスタンスはSteamからPhotoshop、Excelまでサポートしている。

フランスのスタートアップ企業であるBladeは、複数の資金調達ラウンドで1億ドル(約110億円)以上を調達してきたが、予約注文に対応できずに自立可能なだけの十分な収益を上げられず、サービスを拡大するための資金を確保できなかった。10万人の有料ユーザーを獲得したにもかかわらず、Next INpactは同社が商業裁判所の管理下に入るしかないと報告した。

複数の企業とグループが買収提案を提出した。特にBladeのJean-Baptiste Kempf(ジャン・バティスト・ケンプ)CTOは他の従業員とチームを組み、Octave Klabaは独自のオファーを提出した。Klaba氏はJean-Baptiste Kempfをのぞく全従業員を雇用する予定だ。

今後数週間で、サービスがどのように変わるのかは興味深い。現在のサブスクリプション価格はヨーロッパで月額12.99ユーロ(約1700円)から、米国では月額11.99ドル(約1300円)からとなっている。この価格でShadowが提供され続けるのか、仕様がどのように進化するのか、または新規顧客獲得のためにサーバを増設するのかどうかは不明だ。

 

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:BladeOVHcloud買収フランス

画像クレジット:Blade

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter

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TechCrunch Japan

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