クラウドファンディングの「Makuake」、Indiegogoライクな大企業向け支援施策

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サイバーエージェントグループでクラウドファンディングプラットフォーム「Makuake」を運営するサイバーエージェント・クラウドファンディング。同社は1月25日、企業向けの新製品サポートプログラム「Makuake Enterprise」の提供を開始した。

Makuakeでは、これまでソニーの電子ペーパーウォッチである「FES Watch」やデンソーの「KKP(くるくるピッ)」大手企業が手がけるプロジェクトから、個人のプロジェクトまで合計1000件以上のプロジェクトを手がけて来た。1000万円を超える規模のプロジェクトも10件以上あるのだそうだ。

それぞれのプロジェクトに対しては、単にMakuakeのプラットフォームを提供するだけでなく、マーケティングなどの面で支援を行ってきたという。例えば実機に触れる場所を作りたいというプロジェクト立案者向けに、伊勢丹 新宿店の一部に展示スペースを用意する、なんてこともあるそうだ。今回開始するMakuake Enterpriseでは、そういった支援施策をパッケージ化。戦略立案からプロジェクトページの作成、プロジェクト支援者へのインタビューを含むマーケティングレポートの作成までを一括に請け負う。料金は300万円程度となる。

前述の大企業の事例もそうなのだが、Makuakeでは、クラウドファンディングサービスを利用する1つの目的として、「新製品のテストマーケティング」があると考えているそうだ。実際に製品を正式販売する前に、アーリーアダプターであるプロジェクト支援者の反応を直接知ることで、より顧客に向き合った製品を実現できると同社は語る。今回の取り組みは、クラウドファンディングのマーケティング利用を促進するための施策の1つだ。

また同時に運営元にとっては、手数料(支援総額の20%)以外での収益を上げるための施策とも言える。海外でもクラウドファンディングサービスを手がける「Indiegogo」が同様の大企業向け施策を2016年1月から開始している。

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TechCrunch Japan

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