クラウドワークスがリクルートを割当先とした第三者割当増資–理由は資金ニーズより事業シナジー

クラウドソーシングサービス「クラウドワークス」を運営するクラウドワークスは8月8日、リクルートホールディングスの投資子会社である合同会社RSPファンド5号を割当先とする第三者割当増資を実施した。金額は非公開だが、数千万円程度と見られる。

同社はこれまでサイバーエージェント、電通といった事業会社のほか、ベンチャーキャピタルなどから約14億円を調達している。今回の調達は資金ニーズありきの資金調達というよりは、事業シナジーを狙ったもののようだ。

クラウドワークスは2014年7月までに会員登録数19万8000人。累計約3万6000社が発注。登録された仕事の予算総額は142億5000万円を突破。月間契約額も増加しているという。

クラウドワークス代表取締役社長の吉田浩一郎氏によると、今回の増資を契機にリクルートグループ全体でのクラウドワークスの利用を促していくという。あわせて、クラウドソーシングを活用したリクルートグループの新規事業も検討する予定だ。

ところでリクルートグループと言えば、2013年にオーストラリアのクラウドソーシングサービス「Freelancer.com」のM&Aに関する話題があった。今回の資金調達をきっかけにクラウドワークスがリクルートへのバイアウトを狙っているか吉田氏に尋ねたところ、「原則はIPOを目指す。ただし、リクルートとのシナジーを考えると、資本提携の比率を増やすといった選択肢は考えられる。だが100%のM&Aについては現段階ではあり得ない」ということだった。


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TechCrunch Japan

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