クリエイター向け入力デバイス「O2」がMakuakeで販売開始、ペンタブとの組み合わせで作業を効率化

クリエイター向けの入力デバイスを開発するBRAIN MAGICは10月25日、新型入力デバイス「O2」をクラウドファンディングサービスMakuakeで販売開始した。

映像制作やデザイナー、イラストレーターなどのクリエイターは、従来のマウス・ペンタブレット+キーボードの環境ではキーボードのショートカットキーやUIを使って制作ソフトの操作を行うことが多い。O2はマウスやペンタブレットと組み合わせて使うことで、キーボード操作の煩わしさを置き換え、作業を効率化するための新しい入力デバイスだ。

操作はO2を「倒す」「回す」「押す」ことで行う。「Illustrator」や「Photoshop」、「Premiere」などのAdobe製品のほか、「SAI」、「CLIP STUDIO」、「Avid」、「MediBang Paint」などのソフトに対応。よく使う機能やショートカットキーを最大256種類、設定することができる。ジョイスティック操作・マウス操作も可能で、画像加工ソフトの「ブラシ濃度変更」や映像制作ソフトの「コマ送り・コマ戻し」など、連続的な値を上下させる操作も、手を離さずに行うことができる。エルゴノミクスデザインを採用したことで、手や腕への負担も軽減できるという。

ダイヤル式のコントローラーとしては、Microsoftが2016年10月に発表したSurface Dialが既にあり、1万円強で買うことができる。O2は現在、限定数・先着順のクラウドファンディング特価2万7800円(税込)で販売されていて、Surface Dialと比べると結構高く感じる。ただO2は、Windows 10だけではなくOS Xにも対応しており、Windows 8/Windows 7でも動作確認されている。またSurfaceシリーズに特化したSurface Dialと違って、ペンタブ環境との併用にも適している点は、既存のハード・ソフト資産を生かしたいクリエイターにとっては魅力的だろう。またBRAIN MAGICでは、O2の価格設定について「プロのクリエイター向けのハイエンド製品として、妥協なく性能を追求した結果」と説明しており、製品の水準の高さにはかなりの自信があるようだ。

BRAIN MAGICは2016年2月の設立。代表取締役の神成大樹氏は、自身もイラストレーターとして活動していた人物だ。2015年に、デジタルハリウッド大学院とMakuakeによる「アイデア実現支援プロジェクト」に企画が採用され、それから2年間、新しい入力デバイスの試作とフィールドテストを重ね、7世代20種以上のプロトタイプの制作を行ってきたという。

BRAIN MAGICは9月27日、ウィルグループデジタルハリウッドABBALabを引受先とする、数千万円規模の第三者割当増資を実施したことを明らかにしている。同社では今後、O2の開発・生産を進めるほか、AIを活用したクリエイターの作業分析を行うソリューションも準備中とのことだ。

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TechCrunch Japan

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