クリスマス・ショッピングのテクノロジーと消費者行動の変化を考える

2015-12-26-shopping

長年にわたってアメリカ的生活の不可欠な一部とみなされてきたクリスマス休暇のショッピングも最近大きく変わった。

1947年に公開された映画、『34丁目の奇跡』〔日本語版:メイシーズ・デパートを舞台にしたドラマ。その後何度もリメイクされている〕に代表される巨大デパートでのショッピングは今や少し風変わりで決定的に前世紀の遺物である習慣とみなされるようになった。

ブラック・フライデーにステーションワゴンに家族全員が乗り込んで最寄りのショッピング・モールに向かうというアメリカ的行動も不便であり時代遅れだとして今や風前の灯火だ。

クリスマスを控えた季節には、ますます多くの消費者が夜遅くパジャマ姿で半分寝ぼけたままノートパソコンやスマートフォンに向かい、われわれの時代のサンタクロースであるAmazonプライムの画面に向かって願い事をするようになっている。

消費者行動が時代と共に変わるのは珍しいことではない。しかし盛大なバッカス祭り的なわれわれの年末ショッピングの変化は、多分に消費者側に原因を持つ内発的なものだ。各種の統計もこの見方を支持する。不動産仲介業者は年間売上の5分の1がクリスマス休暇の時期に集中することに気づいている。2015年の年末のショッピングはアメリカで過去最高となる6300億ドルに達するものと推測されている。この額はアメリカの全軍事予算ないしスイスやサウジアラビアのGDPに匹敵する。レゴブロックやデジタルテレビでこれだけの売上があるというのは驚くべきことだ。

しかし、特に注目すべきなのは2015年には年末休暇の売上のほぼ15%、 1050億ドルがオンライン上で生じると推計されたことだろう。これは対前年比でも大幅なアップになものとみられる。 最近得られた実際の統計数値はこの予測さえ控え目に過ぎるのではないかと思わせる。
2015年の感謝祭からブラック・フライデーサイバー・マンデーにかけてのオンライン売上は記録破りの750億ドルを記録した。同期間中に ブリック・アンド・モーターの実店舗での販売額jが5から10%下落したことはトレンドがどちらに向かっているかをはっきり物語る。

単独で見れば、古き良きショッピングの伝統が薄れていくことに反感を覚えるのは簡単だわれわれオンライン消費者は年ごとに新しいアイテムをますます簡単に、かつ無考えに購入するようになっている。

買い物といえば中心街のデパートに出かけるものだった過去を懐かしむのもいいが、ワンクリックでフルフィルメント・センターから欲しいものが届く現在のインフラの効率性を否定するのは困難だ。こうしたオンライン消費はコミュニティー行動の不可欠な一部となって休暇時のショッピングをも律している。

消費者行動は効率性のより高い方向を目指して変化を続ける

ネットワーク・テクノロジーが発達した現代社会では、進歩もトレンドのフラグメンテーションも速度が極めて速い。すべてはめまぐるしく動く。 消費者行動は効率性のより高い方向を目指して変化を続ける。だがテクノロジーは効率性とは別の要素ももたらしてわれわれの生活のバランスを取る。

ネットワークの発達により、クリスマス休暇のような短い期間でまずこのコミュニティー的共同体を形成することが可能となった。感謝祭を機に生まれたチャリティー運動、Giving Tuesday〔感謝の火曜日〕は 最近のすばらしい例だ。アメリカ人の5人に1人(つまり6000万人)がサイバー・マンデーやブラック・フライデーを知っているといわれるが、こうした言葉が生まれたのは非常に新しい。2012年にニューヨーク市の名門チャリティー団体、92nd Street Y.が使い始めたのがきっかけだ。

われわれを勇気付ける別の例として、各種の専門分野において消費者行動の環境に与える悪影響を、季節を問わず、最小限に止めようとする新たなマーケットプレイスの登場がある。

ローカル・コミュニティー同士を結びつけ新たなサービスを産み出すネットワーク・テクノロジーの発達も共同消費経済の優れた例として見逃せない。こうした努力によって売上がコミュニティー内に還流し、地元のアーティストや個人を潤し、オンライン経済をさらに拡大することになる。人々を結びつけるこうしたトレンドはわれわれのポケットに収まっているスマートフォンを主たる推進力とするものだ。スマートフォンは権力者が生活を遠隔操作するための道具となるという一部の人々の予言はだいぶ違った形で実現されている。

ここでて述べてきたようなレンドは私の子供たちがティーンエージャーになり、さらに大人になる頃にはまったく普通のこととして忘れ去られているのかもしれいない。それどころか、子供たちは父親の世代が、深夜パジャマ姿で目を赤くしてノートパソコンを広げ、プレゼントを買おうとしきりにクリックを繰り返していた時代をジョークのタネにするのかもしれない。いずれにせよ、私はこのトレンドがさらに進んでいくことを信じている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。