クリス・サッカがベンチャー投資から引退へ――元Googleの弁護士、Twitterの初期投資で大成功

元Googleの弁護士で、ベンチャーキャピタリストに転じてTwitterとUberに巨額を投資したことで知られるクリス・サッカ(Chris Sacca)は「そろそろ拍車をかけるのを止める時期だ」と述べた。つまりベンチャー投資から引退するという。

新しいブログ記事でサッカは「2009年にベンチャーキャピタル、Lowercase Capital,を創立したときに考えていた目的を達したからだ」と説明している。このベンチャーキャピタルは当初、Googleでの元ボス、エリック・シュミットや同僚だったYahoo CEOのマリッサ・メイヤー、またIndustry Venturesなどからの出資を受けたことが役立った。

サッカはInstagramの初期投資家としても有名だ。Lowercaseについては2015年のForbesの記事に詳しく報じられた。サッカはTwitterへの投資にあたっては4つの異なるファンドを組成して手に入る限りの株式を買い集めた。この中にはTwitter社員の持ち株も含まれていた。

サッカはForbesのインタビューに答えて「Twitter〔がスタートしたとき〕は『これは本当のビジネスになる、おもちゃなんかではない』と回りを説得しようとして何ヶ月も時間を無駄にした。そこで全部で自分でやることに決めた。私は自分自身でTwitterの株を買っていくことにした」と述べている。2015年に記事が掲載された時点でTwitterへの投資は50億ドルの利益を生んだという。

サッカは後年、このやり方を繰り返そうとしてUber株を買い進んだ。この強引な戦法はやがてサッカとUberのCEO、トラビス・カラニックの間を緊張させることになった。報道によれば、カラニックはサッカがUberの社員から持ち株を買い集めることを不快に感じたということだ。

ある時点でサッカはUberの4%を所有していたと報じられた(現在でも所有しているかもしれない)。しかし「Uberの運営に関して発言権がゼロなのは腹立たしい」とサッカは2月にツイートした

最近サッカはTwitterからは距離を置いている。3月にTwitterの公式アカウントにこう投稿している。「Twitter株式は2年近く前から持っていない。イヴ〔共同ファウンダーのEvan Williams)を経営陣に復帰させることがなくなって以後、私は希望を失った。このサービスは好きだが、株式は嫌いだ」。【略】

サッカは引退を表明したブログ記事で、「私には6歳以下の子供が3人いる。モンタナやカリフォルニアに家も3軒持っている」と書いている。また「パートタイムでベンチャー投資を試みたがうまくいかないとわかった。岸に腰掛けてつま先だけを水に浸すようなやり方ではダメだった」という。そこでLowercase Capitalのために自分で資金を集めるのは止めることにした(ただしパートナーの投資家、Matt Mazzeoが独自にファンドを組成するかもしれないと示唆している)。

ではサッカはこの後どうするのだろう? ブログ記事はこの質問に自分で答えている。「政治? ノー。(ABCのリアリティー・テレビ番組)Shark Tankにもっと出る? ノーだ」。

サッカは「別のテレビ番組なら出るかもしれない。もっとポッドキャストもする。これまでになかったようなもので、テーマは無限だ。役に立つと同時に物議をかもすような内容になるかもしれない」という。

Lowercaseのパートナー、Matt Mazzeoexecは大手のタレント・スポーツ選手エージェンシーのCAAで事業開発の責任者を務めた後、2012年にサッカのベンチャーキャピタルに加わった。Mattは数年前、Forbesのインタビューに答えて「クリスは金を稼ぐだけが目的の人間ではない。仲間が好きだからやっているのだ。彼が〔Lowercaseを〕辞めることはないと思う」と述べている。

しかし時は移り変わる。サッカにとってはこのビジネスを辞めるときが来たようだ。

〔日本版〕記事中のShark Tankはかつて日本テレビで放映された『マネーの虎』をベースにしたABCのリアリティー番組。起業家志望者がプレゼンし、投資家が審査員となり投資の可否を判断する。クリス・サッカはゲスト審査員として繰り返し出演した。マーク・キューバンがレギュラー審査員の1人。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。