グリーが「バーチャルYouTuber」市場に参入、100億円規模の投資でゲームやメディアに続く第3の柱へ

ここ数年で急速に認知度が広がり、2017年には流行語大賞にもノミネートされた「YouTuber(ユーチューバー)」。特に昨今ではモーションキャプチャー技術を活用して3DCGキャラクターが動画を配信する「バーチャルYouTuber」がトレンドだ。

チャンネル登録者が170万人を超える「キズナアイ」や、昨年12月のチャンネル開設からわずか4ヶ月ほどで60万人の登録者を獲得した「輝夜月(カグヤルナ)」を筆頭に、話題になるアカウントが続々と生まれている。

そんな伸び盛りのバーチャルYouTuber市場への参入を発表したのがグリーだ。同社は4月5日、バーチャルYouTuber特化型のライブエンターテインメント事業を担う100%出資の新会社「Wright Flyer Live Entertainment」を4月13日に設立することを明らかにした。

グリーではゲーム事業、メディア事業に続く第3の柱として同事業を立ち上げる。代表取締役にはグリー取締役 上級執行役員の荒木英士氏が就任。まずは第1弾として、バーチャルYouTuberを発掘・育成・マネジメントし、動画番組の企画から配信までを行うプロダクション事業に取り組むという。

今後1〜2年でバーチャルYouTuberの発掘・育成、プロモーション、共同事業化、関連企業への投資などに100億円規模の資金を投入する予定。日本国内だけでなくグローバルで事業を展開する。

一般社団法人日本動画協会が発行する「アニメ産業レポート2017」によると、アニメ市場は2016年に初めて2兆円台を突破。海外市場での売り上げが急速に拡大しているという。スマホの普及などの影響で動画配信市場も盛り上がりを見せている中で、バーチャルYouTuberの人気も高まってきた。

グリーではこれまでSNS「GREE」やゲーム事業、VR事業を通じてノウハウを蓄積。大手IPホルダー、原作者、声優事務所などとも関係性を構築してきた。これらの強みを生かしながら、今後はクリエイターや関連スタートアップへの投資、関連サービスの開発、収録・配信スタジオの開設なども展開。バーチャルYouTuber市場の拡大を目指すという。

 

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TechCrunch Japan

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