グルメ情報まとめサイトなど展開するfavyが1億円を調達、飲食店を使った“リアルABテスト”を展開

FAVY

飲食店向けのウェブサイト作成サービス「favyページ」、そしてMAU(月間アクティブユーザー)150万人グルメ情報のまとめサイト「favyまとめ」、さらには飲食店の「C by favy」を展開するFavyは4月18日、みずほキャピタルおよびサイバーエージェント・ベンチャーズが運営するファンドを引受先とした総額約1億円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。今回調達した資金をもとに経営基盤の強化を図るとともに、新サービス「飲食店ABテスト」の提供を開始する。

飲食店ABテストとは、いわばオンラインのABテストのリアル版とも言えるサービスだ。飲食店に来店したユーザーに対して、クライアントの商品や原料を利用した料理などを複数体験してもらった上でアンケートに答えてもらい、商品名の是非や品質・強みの把握、適性価格を探ることができるマーケティングリサーチサービス。

これまで生産者・産地・メーカーによる商品テストでは、実店舗でリアルな消費者の意見を集めることは難しかったとfavyでは説明する。また一方で、飲食店は収益を営業収益(つまり飲食の提供)に頼っており、曜日や天候によって差が生まれて安定した収益の確保が難しい状況だったという。

だがこの飲食ABテストでは、生産者・産地・メーカーの商品を提携する飲食店に提供。favyが商品企画・開発、商品テスト、宣伝・拡販などで支援を行いつつ、来店したユーザーに対してABテストとして料理を提供する。その後アンケートを回収。消費者の声を元に商品の戦略を練り、販売時にはfavyページなどでネットワークを持つ飲食店に商品の提案などを行う。また飲食店ではタイアップ商品のアンケートを行うことで、営業外の収益を得ることが可能になるという。

冒頭にあるようにfavyでは東京・新宿に飲食店も展開していることから、2月から試験的に取り組みを進めていた。C by favyではこれまでに、生パスタと乾麺の比較や、国産ワインと通常の海外産ワインの訴求力の違いなど、いくつかのテストを行っている。

「ABテストの狙いは、飲食店に営業外収益的な新たなキャッシュポイントを作ること。そのために飲食店という場を他のビジネスに活用できないか検討した結果、行動観察型のリサーチの場として転用できることに気付いた。それを飲食ABテストというサービスメニューとして磨いてきた」(favy代表取締役の高梨巧氏)。favyでは年内に提携100店舗でのアンケート調査の実現を目指す。

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TechCrunch Japan

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