グーグル、Google Playで一定条件を満たすゲームデベロッパーにツールを提供する新プログラムを発表

Google(グーグル)は、米国時間3月15日朝開催された「Google for Games Developer Summit」において、Playストアに関するさまざまな発表を行った。まず、Googleは、Google Play上で大手のデベロッパーやスタジオに追加ツールを提供する「Google Play Partner Program for Games」を新たに立ち上げた。このプログラムは「年間500万ドル(約5億9200万円)以上のゲーム消費者支出」を持つデベロッパーを対象としている。

このプログラムの特典には、Google Playによるビジネスサポートの強化や、優先公開キューによるリリースの迅速化などが挙げられる。また、事前登録キャンペーンのための事前登録テスト、アクセスコード、ストア掲載実験などの発売前ツールも含まれている。さらに、Play Integrity APIの利用が自動的に承認されるなど、セキュリティ保護も強化されている。また、早期アクセスプログラムへの招待なども含まれる。同社は、どのGoogle Playゲームデベロッパーが新プログラムにアクセスできるようになるのか、具体的な情報を提供していない。

また、Googleは、Playストアの「Play as you download」機能を、近々すべてのAndroid 12ユーザーに提供することを発表した。「Play as you download」は、ユーザーが大容量のゲームをダウンロードする際に、少量のダウンロードを行ったあと、残りのゲームアセットをバックグラウンドで取得する間に、すばやくゲームプレイを開始できるようにするものだ。Google Playは、クラウドソースによるファーストプレイ体験のファイルシステムアクセスパターンを分析し、最適化すべきアセットを自動的に特定することで、この機能を実現している。この機能は、2021年、ベータプログラムの一部として初めて公開された。Googleは、提供開始日に関する追加情報を提供しなかった。

また同社は、1月から一部の市場で「Google Play Games for PC」ベータ版の展開を開始したことを明らかにした。Googleによると、このスタンドアロンのWindows PCアプリケーションでは、Google Playゲームの「高品質なカタログ」をプレイすることができるという。同社は、タブレット、フォルダブル、Chromebookでのゲームプレイが増加傾向にあり、特にChromebookではAndroidアプリの利用が前年比50%増となっており、それは主にゲームが牽引していることを共有した。

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Googleは他にも、Android Game Development Extensionをアップデートし、GoogleのAndroid OS向け統合開発ソフトウェアであるAndroid StudioとMicrosoft(マイクロソフト)の統合開発プラットフォームであるVisual Studioとの間でデバッグができるようにした。さらに、デベロッパーが端末がどの程度メモリ不足に陥っているかを把握・判断するための「Memory Advice API」を新たに追加した。また、Googleは、開発者がより良いフレームレートとバッテリー寿命を達成できるように、Android GPU Inspector Frame Profilerを本格的にローンチした。

さらに同社は、デベロッパーがゲームの収益性を評価し、収益拡大の機会を見出すための直観的な方法を提供する「Strategic guidance in Console」を最近開始したことも明らかにした。ちなみにGoogle Consoleは、Google PlayやAndroidのデベロッパーがアプリのパフォーマンスを公開し、監視するために使用するプラットフォームだ。

GoogleのPlay/Androidのゲーム担当プロダクトディレクターであるGreg Hartrell(グレッグ・ハートレル)氏は声明でこう述べている。「Google for Games Developer Summitでは、Google全体のチームが、高品質のエクスペリエンスの作成と収益化を支援する次世代のサービス、ツール、機能、ニーズに合わせたより多くのプログラム、ベストプラクティスにつながる教育リソースの構築を続けていることをご紹介しました。私たちは、高品質のゲームを開発し、そのすばらしい体験を増え続けるオーディエンスやデバイスに提供するプロセスを容易にすることで、ゲーム開発のライフサイクル全体を通じてみなさまを支援したいと考えています」。

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(文:Aisha Malik、翻訳:Den Nakano)

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TechCrunch Japan

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