グーグルがアフリカで4万人の開発者に奨学金を提供

Google(グーグル)は米国時間4月29日、アフリカで新たに4万人の開発者に奨学金を提供すると発表した。同社は技術系人材企業であるPluralsight(プルラサイト)およびAndela(アンデラ)と提携し、モバイルおよびクラウド開発分野の開発者を対象とした奨学金を提供する。

Googleの発表によると、同社はトレーニング終了時に上位1000人の学生(初級および中級の開発者)に全額の奨学金(とAndroidおよびクラウド開発者資格)を与えるとのことだ。

バーチャルイベントで行われた今回の発表は、Googleアフリカのブログ記事でも詳しく紹介されている。同社はアフリカのテクノロジー分野のエコシステムにおける主要な関係者を招き「インターネット経済全体で展開されている機会を検討し、この地域の開発者やスタートアップの支援に特別な注目を向けることにしました」と述べている。

Googleは開発者にチャンスを与えるとともに、アフリカのスタートアップ企業を対象としたアクセラレータプログラムの継続も発表。このGoogle for Startups Accelerator(グーグル・フォー・スタートアップス・アクセラレータ)プログラムは、2021年で6回目のコホートを迎えることになる。3カ月間のプログラムは6月21日に開始される予定で、応募受付は5月14日まで。今回のコホートも前回と同じく、バーチャルな環境でプログラムに参加することになる。

「2020年、新型コロナウイルスの流行を受けて、Google for Startups Accelerator Africaで初のバーチャルクラスが始まりました。これは初めてすべてがオンラインで行われたGoogleのアフリカ向けアクセラレータプログラムで、7カ国から集まった20社のスタートアップ企業が、メンタリングやワークショップを受けながら、自社のサービスを再定義する12週間のバーチャルな参加期間を終えました」と、Google for Startups Accelerator Africaの責任者であるOnajite Emerhor(オナジャイト・エマーホール)氏は、声明の中で述べている。「2021年の第6期生では、アフリカのテクノロジー系エコシステムの中で開発者やスタートアップを支援し、彼らが成長し続けるために必要なあらゆるアクセスとサポートを提供することで、引き続き当社の役割を果たしていきたいと考えています」。

以前はGoogle Launchpad Accelerator(グーグル・ローンチパッド・アクセラレータ)として知られていたGoogle for Startups Accelerator Africaは、アフリカの17カ国で最大50社のスタートアップを支援してきた。2020年には、ナイジェリアから8社、ケニアから6社、南アフリカから2社、ガーナ、チュニジア、エチオピア、ジンバブエから各1社、合計20社のスタートアップ企業が選ばれてプログラムに参加。今回の第6期生には、エジプト、セネガル、タンザニア、ウガンダなど、さらに多くの国からスタートアップ企業を選出する予定だ。

「起業家精神の成長は、特にアフリカという環境において非常に重要です。アフリカの開発者やスタートアップ企業は、アフリカ経済の変革に重要な役割を果たし、新たな機会を作り出して、私たちが望むアフリカ大陸の経済的・社会的発展への道を切り開きます。私たちは、アフリカのデジタル分野における並外れた可能性を認識しており、だからこそ、Googleはアフリカのスタートアップ企業にこのような重要な支援を提供することに力を注いでいます」と、Googleサブサハラアフリカ・アフリカのマネージングディレクターを務めるNitin Gajria氏は語っている。

開発者コミュニティは、アフリカにおけるGoogleの事業展開で、依然として最も重要な要素の1つだ。同社は現在、サブサハラ・アフリカの25カ国で120以上のコミュニティを運営している。発表されたばかりの奨学金プログラムの他、Google Developer Groups(グーグル・ディベロッパー・グループス)、Developer Student Club(ディベロッパー・ステューデント・クラブ)などのコミュニティに加え、ナイジェリアにはGoogle Developers Space(グーグル・ディベロッパー・スペース)を開設し、開発者と起業家や投資家が交流する場を提供している。

カテゴリー:その他
タグ:Googleアフリカ

画像クレジット:Google Africa

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

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