グーグルが機能していないアプリ「Trump 2020」を一時停止措置に

Google(グーグル)は、規則に違反したとしてTrump 2020選挙運動アプリのGoogle Play Storeでの扱いを一時停止した。Android Policeの報道を受けてGoogleはその事実を認めた。報道では、アプリはいかなるコンテンツも取り込めず、Storeから取り除かれたようだとされている。同アプリのAndroid版、iOS版ともに2020年11月の選挙後もオンライン上にまだあるが、アップデートされていない。これがアプリの安定性の問題につながったようだ。

たとえばAndroid版は2020年10月30日からアップデートされていない、と調査会社Sensor Towerは指摘する。

Android Policeの報道によると、アプリはまだ存在するがコンテンツを取り込むことができず、接続面での問題もある。この問題は報道にあるとおり、ユーザーがアプリをダウンロードすると、Tロゴが回転する最初のローディングスクリーンになるか、すぐにサーバーエラーが表示されるかだとTechCrunchは理解している。どちらにせよ、アプリの中身をまったく取り込まない。

Google Play Storeにある直近のユーザーレビューでも「開かない」「アプリは起動すらしない」「まったくひどい、機能しない」「接続確認を、というだけで開かない」などと問題が報告されている。とあるユーザーは「みんなのコメントに返事してください。ロードしていません」とデベロッパーに多くの苦情に対応するよう求めた。別のユーザーは「Googleが削除するまでは機能していた」と記し、この問題はGoogleの不手際だとほのめかした。

しかし、Googleは削除していない。Trump 2020 Androidアプリは実際にはGoogleが行動する前から問題を抱えていた。

たとえば1カ月ほど前のツイートでも同様の問題が指摘された。

GoogleはTechCrunchに対し、Play Storeで禁止にはなっておらず、機能していなかったために一時停止になっているだけだと述べている。もし問題が解決すれば、復活するかもしれない。Googleはまた、アプリを一時停止とする前に、このアプリのデベロッパーに連絡を試みたが、返事が一切なかったとも述べた。

「Trump 2020選挙運動アプリはこのほど機能を停止し、問題を解決してもらおうと複数回デベロッパーに連絡を取りました」とGoogleの広報担当は述べた。「人々はGoogle Playからダウンロードしたアプリが最低限のレベルの機能性を提供すると考えており、問題を解決しないなら機能しないアプリはストアから取り除く、というのが当社のポリシーです」。

Androidでの問題にもかかわらず、TechCrunchはiOS版アプリがまだ最初の立ち上げが可能で、サインアップで電話番号に確認コードを送れることを確認した。しかしアプリのメイン表示にいくと、エラーメッセージが表示される。ただし、過去のコンテンツをブラウズする能力に影響はない。

iOSのTrump 2020(スクリーンショット)

Sensor Towerは、Trump 2020アプリのAndroid版は2021年2月7日から新規インストールされていないようだと話す。同社はまた、同アプリのiOS版のインストールが150万回だったのに対し、Android版は約84万回だったと指摘した。

Trump 2020アプリの問題がニュースになるのは今回が初めてではない。

2020年の米大統領選挙までの数カ月、多くのTikTokユーザーがApp StoreユーザーレビューでTrump 2020アプリを貶めた(なぜか、Z世代ユーザーは低い評価のアプリは自動的にアプリストアから削除されると信じている。それは真実ではない)。しかしTikTokユーザーのそうした取り組みによって、Trump 2020アプリの全体評価は星1.2に落ち、Trump 2020陣営はアプリ評価のリセットを余儀なくされた。

大統領選はだいぶ前に終わったが、ユーザーはまだアプリに星1という低い評価をつけている。時にネット上の荒らし者たちは、その過程でちょっとしたユーモアを見せようとさえする。

とあるPlay Storeのレビュワーは「アプリは私の携帯のOSを乗っ取ろうとクーデーターを試みた」と書き込み、別の人はiOSで「私は2016年から十分苦しんだ」と記した。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleアプリDonald Trump

画像クレジット:Alex Wong / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。