グーグルが食料不安に悩む米国人向け新ウェブサイトとリソースを公開

Google(グーグル)は米国時間6月29日、全米で食料不足に悩む人々のための新たなリソースを提供するプロジェクトを開始する。このプロジェクトでは、ホットラインやフードスタンプの情報、地元のフードバンクやフードパントリー、学校給食プログラムの受け取り場所などを紹介するGoogleマップのロケーターツールなど、人々を食料支援リソースに結びつける新しいウェブサイト「Find Food Support」を立ち上げる。

Googleは発表の中で、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが米国における食糧危機の悪化を助長し、2020年の間に約4500万人(米国人の7人に1人)がある時点で食糧不安を経験することになったと説明しています。この数字は、2019年に比べて30%増加したと同社は指摘している。その4500万人のうち1500万人が子どもだった。

ビジネスが再開され、個人活動が再開されているためパンデミックの影響は収まり始めているが、学校給食プログラムが利用できなくなる夏の間、多くの子どもたちが空腹に耐えている。

このようなニーズに対応するため、グーグルの新しいウェブサイト「g.co/findfoodsupport」では、食料支援のリソース、米国の食料不安の問題に関するYouTubeの動画、Googleマップのロケーターツールを組み合わせて、近くのフードバンクやその他の食料支援の場所を案内している。

Googleは「No Kid Hungry」や「FoodFinder」、「米農務省」などの団体と協力して、米国50州で9万の無料フードサポートを提供する場所を捕捉したという。ウェブサイトの訪問者は、このオンラインツールで自分の住んでいる場所を入力すると、その地域の学校給食プログラムのピックアップサイト、フードバンク、フードパントリーを確認することができる。

画像クレジット:Google

本ツールでは、その場所の住所や電話番号、営業日や営業時間などの詳細が表示される。

このような情報は、Googleマップで直接見つけることができるが、適切なキーワードがわからないと難しい場合がある。例えば「food support」と検索すると、「Food Lion 」や「Lowe’s Foods」など、キーワードが一致するビジネスと一緒に、慈善団体、フードバンク、公共サービスが組み合わされて表示されました。一方、「food assistance」を検索すると、より詳細な情報を得ることはできるが、「US Food & Drug Administration」のような関連性のない結果も返される。このオンラインツールの検索結果は、より正確で精密なものになる。

新サイトでは、SNAPの特典情報や高齢者、子ども、家族など特定のグループに対するサポート、州ごとの給付ガイドライン、フードサポートホットラインなど、その他のフードサポート情報も紹介している。また、食料支援の問題に直面していない人のために、お金や時間、食料を必要としている人たちに寄付に関する情報も提供している。

またサイトには、食料不安の問題にそれぞれのコミュニティで取り組む団体が作ったYouTube動画もいくつかある。それらの動画は、軍人の家族や子ども、高齢者などいろいろな人たちが食料支援を利用している様子を見せて、食料不安は恥ずかしいことではないと説得しようとしている。Googleによると、軍人の家族というのは、まだ除隊になってない軍人兵士の家族の9人に1人は食料不安を経験しているとのことだ。また、子どもは6人に1人、学生は3人に1人、そして500万人あまりの高齢者が食料不安を抱えている。

この新しいサイトは、Emily Ma(エミリー・マー)氏が率いるGoogleの「Food for Good」計画から生まれた。Food for Goodは当初、元Google(X)、現在ではAlphabetのX事業の下の、よりスマートな食料システムの創造をめざすアーリーステージ・ムーンショットプロジェクトである「Project Delta」として始まった。チームが目指したのは、食品廃棄物が埋め立てへ向かうことを止め、食べ物を最も必要としている人たちに向けていくことだ。2020年12月にマー氏は、Project DeltaがGoogleに移行してスケールアップすると発表した。そのコアチームは「Food for Good」としてGoogleに加わり、食品追跡のチームはXに残って、より広範な問題に取り組むことになった。

Googleによると、本事業のGoogleマップ上の食料支援施設やサービスは、現在の9万から今後もっと多くなるという。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleGoogleマップ

画像クレジット:Danny O. / Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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