グーグルのビデオ通話アプリ「Duo」、アップルのSharePlayにヒントを得た「ライブ共有」機能を追加

Google(グーグル)は、ビデオ通話サービスGoogle Duoのユーザー向けに新しい「ライブ共有」機能を導入する。Apple(アップル)のFaceTimeで使えるSharePlay機能への対抗だ。しかし、Googleの場合、このインタラクティブな共同視聴体験は、Appleのものほど充実したものでなければ、広く利用できるわけでもない。差し当たっては、GoogleとSamsung(サムスン)の一部のアプリでしか動作しない。そして、導入時はSamsungに限定される。

関連記事:アップルが動画や音楽をバーチャル共同視聴できる新機能「SharePlay」をiOS 15で導入

この変更は、Samsungが新しいGalaxy S22シリーズとGalaxy Tab S8シリーズの端末を発表したGalaxy Unpackedイベントの中で発表された。これに関連して、GoogleもDuoをはじめ、YouTubeなど自社アプリのアップデートを発表した。

Google Duoのライブ共有機能が骨抜きのバリエーションのように感じられるとしても、SharePlayと同様のユースケースに対応しているため、他よりも注目すべき変更の1つとして際立っていた。SharePlayと同様、Duoのライブ共有は、離れている友人、家族、同僚とビデオ通話で交流する時間が増えているという、パンデミックが引き起こしたトレンドとも結びついている。今日、人々はビデオチャットで話すだけでなく、より多くのことができるようになればと考えている。一緒にコンテンツを見たり、同じアプリでやり取りしたり、画面を共有したりすることを望んでいる。Duoはこうしたニーズにある程度対応しているが、SharePlayが提供するサードパーティ製アプリとの幅広い統合エコシステムはない。

画像クレジット:Google Duo(スクリーンショット)

Duoのアップデートにより、ユーザーはGoogleのデジタルホワイトボードJamboardを使った新しいアイデアのブレインストーミング、Galleryでの写真共有、Samsung Notesを使ったメモの共有、Google マップでの位置検索、YouTubeでの動画の同時視聴ができるようになるとGoogleは説明する。

それに比べて、AppleのSharePlayはDisney+、NBA、TikTok、Twitch、Paramount+、Showtimeなど多くの人気ストリーミングサービスやApple TV+、Apple Music、Apple FitnessといったAppleのアプリなど、はるかに多くのアプリやサービスと連携する。残念ながら、今後Duoをより機能豊富なサービスにする意図があるかどうかという質問に対し、Googleは言及を避けた。また、開発者向けAPIプラットフォームに関する新たな発表もなかった。

さらに詳しい説明を求めると、広報担当者は「最初に共有されたもの以外に、現時点で共有できる計画は現在のところありません」と述べた。

しかし同社は、長期的にライブ共有がSamsungのみで使えるものとはならないと指摘した。同機能は、Galaxy S22やTab S8など、最新のSamsung製デバイスでまず展開される。そして間もなく他のSamsung端末やPixel端末でも展開され、2022年に他のAndroid端末にも導入される予定だ。

Duoのライブ共有に加えて、別のアップデートでYouTubeユーザーはメッセージでYouTube動画のプレビューを閲覧して、動画を今見るか後で見るかをより適切に判断できるようになった。チャットから離れることなく、タップしてビデオを再生することもできる。この機能は、Android  Goエディション端末を除くすべてのAndroid端末に搭載される。

また、新しいGalaxy S22シリーズとGalaxy Tab S8シリーズにはVoice Accessが搭載されるため、ユーザーが別途アプリをダウンロードする必要はない。そして、これらの端末はGoogleのパーソナライズされた新しいデザイン言語「Material You」に対応するとのことだ。

画像クレジット:Thomas Trutschel / Contributor / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。