ゲイツ、ベゾス他18人のリーダーがグリーンテック・ファンド、Breakthrougに10億ドル出資

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ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス、ヴィノド・コースラ、ジャック・マ、ジョン・ドーアとさらに15人の著名なビジネス・リーダーが新しいBreakthrough Energy Ventures(BEV)に出資することを決めた。このファンドは向こう20年で新しいクリーン・テクノロジー企業に総額で少なくとも10億ドルを投資する。

Breakthroughのウェブ・サイトによれば同社の目的は「世界中の人々に信頼できて安価な電力、食料、製品、輸送機関を温室効果ガスの排出なしで届けること」だという。

BEVはシード資金から上場直前まで含めてあらゆる段階のグリーンテックのスタートアップに投資する。主として関心を持つ分野や発電、製造、農業、建築、運輸の各部門だ。

クリーンテックは以前シリコンバレーでブームになったことがある。2008年にはベンチャーキャピタルの投資総額が61億ドルになったが、その後〔リーマンショックの〕不況に襲われてしまった。ベンチャーキャピタルの出資や政府の各種の補助を受けようとする起業家にとってクリーンテックはタブーに近くなった。

これにともなって多数の企業が地球を救う上で(あるいは出資者に還元する利益で)見るべき貢献をすることに失敗して消えていった。自動車用の高効率の太陽光発電パネルの開発を試みたSolyndraApteraやリサイクル燃料のKiorなどがそうだ(誰かこういう会社を覚えているだろうか?)。

しかし世界の人口が増え続け、それに従ってエネルギー需要も拡大する中で、クリーン・エネルギーの重要性が見直されてきた。クリーンテックは再度関心を集めており、ベンチャーキャピタリストもクリーンテックを毛嫌いする態度を改めつつある。

BEVは2015年にパリで開催された気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で発足した Breakthrough Energy Coalitionというグループの公式なベンチャー投資機関だ。

BECはテクノロジー、金融分野の有力メンバーをこぞったグループで、クリーンテックの公的援助、調査研究活動に力を入れている途上国のスタートアップを中心に2020年までに総額300億ドルを投資することを約束している。

BEVはベンチャーキャピタルを正式に発足させたことを発表すると同時に、Landscape of Innovationと名付けられたイノベーシュンのロードマップをリリースした。これは「公的組織、民間組織が温室効果ガス排出の削減への取り組む際のガイドライン」となることを意図しているという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

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