コミュニティ関連機能を充実し、ブログプラットフォームとしての成長を目指すSETT

今や、ブログというのも「古臭いメディア」と思われているところもありそうだが、これから発展していく面もあるのだと考えている人も多い。

Dustin CurtisのSvbtleEv WilliamsのMediumも、ブログや、長期に渡って通用するコンテンツのためのプラットフォームを進化させたいと考えている点では共通している。5年前にBloggerはミニブログや、Tumblrにその座を譲ったが、今になって別の動きが胎動していると考えているわけだ。

ミニブログ化の方向に大きく動いた振り子が戻ってきて、改めてより長い記事やメディアを掲載するためのプラットフォームを求める動きに繋がっているのかもしれない。

そのような中、生まれてきたSETTは「コミュニティ」に重きをおいたブログプラットフォームだ。「コミュニティ」を機能を充実していることから、新たにブログを始めた人も、すぐに対象となるコンテンツに興味を持つ読者を獲得することができる。また長くブログを続けている人は、ハイレベルな読者と意見の交換を楽しむことができる。

コンテンツのフィード機能やWYSIWYG編集などは、今日では当然のことなので取り上げる必要もなかろう。SETTではそうした機能に加えてSETTコミュニティの中で生じるトラックコメントやプライベートメッセージなどを、簡単に把握しておけるようになっている。

SETTに記事を投稿すると、サービスで用意しているワード・マッチングシステムを利用して、既存利用者の投稿内容と比較するようになっている。そこで近い内容に興味を持つ人に対してブログを紹介してくれるわけだ。紹介されてくる記事を読んでみれば、また次々に関連記事を読むことができるようになっている。

SETTのアイデアは、ブロガー活動を続けてきたTynan(ずっとファーストネームだけで活動している)とTodd Icetonから生まれたものだ。IcetonはNutshell Mailのディベロッパーとして活躍してきた。同社はメールマーケティング界の巨人であるConstant Contactにより買収されている。

Tynanは、6年間のブログ活動を通じて、新規参入にあたっての数々の「壁」を認識するに至った。

「ブログを始めたばかりの人にとって、コミュニティの一員となることが非常に難しいことなのです」と述べている。

SETTはまずこの敷居を低くしようとしているわけだ。コミュニティ機能の他にも、ワンクリック購読システムなども導入している。話題が広がりそうな個別記事への購読登録も行えるようになっていて、その場合は新たなコメントが投稿されたときなどに通知を受け取ることができる。

またコミュニティ内にて、ディスカッションを行うこともでき、このディスカッションエリアでは、誰がオンラインなのかを確認したり、あるいはどの投稿が最も読まれているのかなどを確認することもできる。

SETTでは、ベータ段階で100内外のアクティブブログが開設され、以降サイト数は増え続けている。500 Startupsが出資しているフィットネス系スタートアップのFitcracyの共同ファウンダーであるDick TalensなどもSETTを利用している。

SETTは月間12ドルから99ドルのプレミアムアカウントにより収益をあげている。価格差は画像のホスティングスペースや購読者数の上限、カスタマーサポートの差によるものだ。

もちろんブログ関連のサービスは他にもたくさんある。しかし、たとえばSvbtleはコメント投稿に弱さがあるとTynanおよび共同ファウンダーのToddは言う。2013年の現在、モバイルファーストでもないブログサービスというのを古臭く感じる人もいると思う。しかし彼らによれば、内容を革新することにより、ブログプラットフォームへのニーズをまだまだ掘り起こすことが出来るとのことだ。

「ブログ環境に苛立ちを感じている人は多いでしょう。ただそれはWordpressのような環境が、大きな変更もなく10年以上も続いてきたからなのです。そろそろ新しいことを始める必要があります」と、Tynanは主張している。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。