コードレビューを助けるプラットフォームCodacyが510万ドルを調達

ポルトガルのリスボンを拠点として、「自動コードレビュープラットフォーム」を提供しているスタートアップのCodacyが、シリーズAの資金調達で510万ドルを調達した。ラウンドを主導したのはEQT Venturesであり、参加者は既存の投資家のFaber、Caixa Capital、Join Capital、そしてSeedcampである。

2014年に創業したCodacyによれば、同社のシステムはPaypal、Adobe、Qlik、Cancer Research UK、Deliverooなどを顧客として、数多くの企業に採用されている。このソフトウェアは、自社内にインストールすることも、クラウド上でアクセスすることも可能で、開発者はコードの品質をチェックし、コード品質基準を実装することができる。

「コードレビューは、開発ワークフローの不可欠な要素となっており、開発者は現在、バグをできる限り早く発見し品質を保証するために、コードレビューに20%以上の時間を費やしています」とCodacyの共同創業者Jaime Jorgeは語る。「Codacyを使うことによって、開発者はコードレビューに使う時間を3割削減することができると見積もっています」。

これは、Jorgeの主張するところによれば、エンジニアリングチームの効率性を6%向上させることに相当する。あるいは、より具体的な言葉で言うならば、例えば計画よりも2週間早くソフトウェアを提供することができるということだ。

「コードのレビュー以上に、私たちの使命は、大規模なシステムでの品質確保を通して開発者の生産性を維持するということです。私たちはこれを、最も重要な問題、警告、そしてメトリックスを一元化し、ワークフローに完全に統合することで実現します」と彼は語る。

「たとえば、開発者がプルリクエストを作成しようとする際に、システムが発見したセキュリティの脆弱性を伝えるだけでなく、テストカバレージがチームの定義された目標基準に達しているかどうかを伝えることもできます。当社は、開発者がコード品質を理解し、優れた設計上の決定を下すのを支援する目標に向けて、クラス最高の製品提供することを確実にするために、製品を継続的に開発していきます」。

Codacyの顧客は、小規模なデジタルコンサルタント会社から、大規模な多国籍企業まで、さまざまな業界や地域にまたがっている。

直接の競合相手としてはCode ClimateとSonarqubeが挙げられるが、JorgeによればCodacyはGithub Enterpriseなどの好きなツールと自動的に同期するといった形で、ワークフローに統合されているので、顧客はCodacyを選ぶのだという。「これは非常に大規模な顧客にとっては、特に便利な機能です」と彼は付け加えた。

一方、新たな資金調達は、チームをさらに強化して、幅広い顧客層に向けてCodacyをを拡大できるようにするために使用される。同社は現在、13人の従業員を抱えているが、ソフトウェアエンジニアリング、カスタマーサクセス、販売、マーケティングの分野の人材を募集しているということだ。

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(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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