サイクリングのすべてを可視化ーーCerevoの新製品は自転車専用のスマートデバイス「RIDE-1」

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IoTハードウェアスタートアップのCerevoは12月15日、自転車に取り付けてサイクリングのデータをトラックする「RIDE-1(ライド・ワン)」の発売を発表した。Cerevoと言えばスマートヨーヨー「7-Magic」振って止めるスマートアラーム「Cloudiss」などユニーク で遊び心のあるIoT製品を手がけている。今回発表した「RIDE-1」は、スポーツに関連するIoTプロダクトを展開するXONシリーズからの新製品だ。XONシリーズには、スノーボードの走行中の重心移動やボードのしなりが分かる「SNOW-1」、アクションカメラの「REC-1」などを展開している。

「RIDE-1」は、自転車のダウンチューブにビス2本で取り付けるIoT端末だ。端末には9軸センサー、温度センサー、GPSなどのセンサーを搭載し、気温、気圧、照度、速度、場所、自転車の姿勢、方位、斜度をトラックすることができる。それらの情報は、Bluetoothで連携したスマホからリアルタイムで確認できる。

自転車を使う人なら、サイクルコンピューターを使って速度や走行距離を計測している人もいるかもしれない。高機能なサイクルコンピューターでは、ペダルの回転数を示すケイデンスや心拍数などを計測できるものもある。多くのサイクルコンピューターはワイヤレス接続通信規格ANT+を使用しているが、「RIDE-1」は対応端末のANT+のデータを読み込んで同時にトラックすることも可能だ。

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アプリ画面

 

「走りのすべてを、リアルタイムで可視化します」とCerevoの代表取締役、岩佐琢磨氏は説明する。自転車の傾きが大きくなれば、疲れてきたなとかも一目で分かるという。端末が習得したデータはクラウド上に保存され、いつでもサイクリングの履歴を確認することができるそうだ。データはスマホアプリはもちろん、PCやスマホのブラウザでも確認可能だ。

「RIDE-1」はサイクリングのデータをトラックするだけでなく、ソーシャルな機能もある。1つは、自分の走行データをクラウド経由で友人やコーチなどとリアルタイムで共有できる「ライブテレメトリ機能」だ。1走行(トラックの開始から終了ボタンを押すまで)につき1つのURLが発行される。そのリンクにアクセスすると、リアルタイムでライダーの走行を閲覧することができる。例えば、サイクリングのコーチが離れた場所からでもライダーの実際の走行状況を見ながら、指示を出したりすることに役立てられるという。

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ライブテレメトリ機能

もう1つの機能は「グループ機能」だ。友人とツーリングに行く際にグループ登録しておくと、それぞれが今どこにいるかなどを確認し、互いの状況を知ることができる。

今回のRIDE-1を含め、XONシリーズではスポーツに特化したIoT製品を展開している。その理由について岩佐氏は、これまで取れなかったスポーツのデータが取れるようになり、それを活用することに可能性を見出しているという。「GoProとYouTubeが普及して、車や自転車などの走行映像を簡単に撮ってシェアできる時代になりました。今後はさらにセンサーが加わり、映像とデータの両方の履歴が残るようになるでしょう。そうしたスポーツのデータをスキルアップや他のことに活用できるようにしたいと考えています」と岩佐氏は話す。

RIDE-1の価格は2万4800円(税抜き)で12月15日からCerevoのオフィシャルストアで販売を開始し、12月19日より順次出荷する予定だ。

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TechCrunch Japan

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