サイバー攻撃をリアルタイムで止める「Confluera」が9億8000万円を調達

米国時間7月29日、またも大規模な侵害が明らかになった。Capital Oneが、ハッキングにより数年分のクレジットカードの申込の情報が流出したと発表したのだ。しょっちゅうハッキングがあるが、問題は企業はおびただしい数の攻撃からいかにして自社を守れるかということだ。2018年に設立されたパロアルトのスタートアップであるConflueraは、リアルタイムでこうした攻撃を止められるとする新しいツールを企業に提供しようとしている。

米国時間7月30日、ConflueraはLightspeed Venture Partnersが主導したシリーズAで900万ドル(約9億8000万円)を調達したと発表した。Microsoftの会長でSymantecのCEOだったJohn W. Thompson(ジョン・W・トンプソン)氏、SnowflakeのCEOでServiceNowのCEOだったFrank Slootman(フランク・スロートマン)氏、Palo Alto NetworksのCEOだったLane Bess(レーン・ベス)氏といった影響力のあるテック業界のエグゼクティブも支援している。

Conflueraのサイバーセキュリティに対するアプローチは注目を集めている。同社の共同設立者でCEOのAbhijit Ghosh(アビジット・ゴーシュ)氏はTechCrunchに「Conflueraはリアルタイムのサイバーセキュリティ企業だ。我々は決定論的にリアルタイムでサイバー攻撃を止める、業界初のプラットフォームだ」と語った。

ゴーシュ氏によれば、これを実現するために、同社のソリューションは顧客のインフラ全体を監視し、問題を見つけたら、攻撃を軽減する方法を推奨する。「我々は、使われているソリューションが多すぎることが問題だと考えている。必要なのは、インフラ全体を可視化し、複数のソースからのセキュリティ情報をもとに攻撃者の状況と対処方法を判断するプラットフォームだ」と同氏は説明する。

Conflueraに投資しているMicrosoft会長のトンプソン氏は、これはリアルタイムの検出、あるいはリアルタイムの対処以上のものだと語る。「これは単なる監査証跡ではなく、何をすべきかを教えてくれる。しかもリアルタイムで攻撃をブロックする。このことが、このプラットフォームのユニークな特徴であり、データサイエンスから得られる知見によって本当にリアルタイムで攻撃をブロックできる」。

Conflueraはまだ始まったばかりで、従業員は19人、このプラットフォームを使っている顧客は3社だ。まずは来週開催されるセキュリティ関連のイベントであるBlack Hatで正式に公開する。その後は、プロダクトの構築を続け、繰り返し発生するさまざまな攻撃を説明通りにブロックできることを証明する必要がある。

画像:sesame / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

投稿者:

TechCrunch Japan

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