サシャ・バロン・コーエンがフェイクニュースに関するザッカーバーグの屁理屈を一刀両断

英国のコメディアンのSacha Baron Cohen(サシャ・バロン・コーエン)氏がソーシャルメディア規制に関するディベートに割って入った。米国時間11月23日、Anti-Defamation League(名誉棄損防止同盟)の受賞スピーチで、映画「アリ・G」と「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」の主演で知られる同氏は、Facebookの創業者であるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏によるプラットフォーム規制に対する「でたらめ」な反論を的確にこき下ろした。

スピーチは全篇を見る価値がある。コーエン氏は「史上最大のプロパガンダマシン」(別名ソーシャルメディアプラットフォームの巨人)の問題点と修正方法を明快に伝えた。数十億人に向けて拡散することが許されないコンテンツの基本的な基準を定めた放送局スタイルの規制が必要だと言う。

「客観的真実などというものは存在しない」とコーエン氏は言う。「事実は存在する。そしてもしインターネット企業が本気で差別化したいと思うのなら、実際にモニターするモニター要員を十分な数だけ雇い、ADLNAACPなどの団体と密に協力して事実にこだわり、はびこるウソや陰謀を彼らのプラットフォームから追い出すべきだ」。

ソーシャルメディアを「我々の民主主義、時には世界をも脅かす偏見と悪意に満ちた陰謀論の掃きだめを広めている」と攻撃するコーエン氏は、言論の自由はリーチの自由とは違うと指摘する。「これはインターネットを作った人たちが想定したものではありえない」と彼は語る。「今こそソーシャルメディアとそれで拡散される憎悪や陰謀や嘘について、根本的に考え直す時だと私は信じている」。

そしてコーエン氏は、「ヴォルテールは正しかった。『不条理を説く者たちは、残虐行為を強いる』。ソーシャルメディアは権威を振りかざす者たちが数十億の人々に不条理を強いることを許している」と付け加えた。同氏はザッカーバーグ氏の、「言論の自由」に名を借りてソーシャルメディア規制に反論しようとしたジョージタウン大学での講演も切って捨てた。

「これは誰かの言論の自由を制限する過問を問題ではない。これは歴史上もっとも非難されるべき人々を含む人々の手に、世界の1/3にリーチできる史上最大のプラットフォームを与えるかどうかの問題だ。「私たちはこれらの企業に、社会全般における言論の自由の境界線を決めてほしいと言っているのではない。自分たちのプラットフォームに責任をもって欲しいだけだ」とコーエン氏は続けた。

政治家が金を払って嘘や忌まわしい言論を広めることを許しているFacebookの道徳的に破綻した立ち位置について、コーエン氏はこうも言わずにいられなかった。「彼の屁理屈従うなら、もしFacebookが1930年代に存在していれば、ヒトラーが『ユダヤ人問題』の解決方法について30秒広告を流すことを許していただろう」。

なんということだ。スピーチの中でYouTubeも、顧客獲得重視のアルゴリズムによる推薦エンジンが陰謀論者のAlex Jones(アレックス・ジョーンズ)氏のビデオを何千回も推奨していることを批判された。

「世界中の大半の人たちが見るべき」情報をわずか6人が決めているとコーエン氏は指摘し、ザッカーバーグ氏、GoogleのSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏、AlphabetのLarry Page(ラリー・ペイジ)氏とSergey Brin(サーゲイ・ブリン)氏、YouTubeのSusan Wojcicki(スーザン・ウォシッキー)氏、TwitterのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏の名前を挙げ、「シリコン・シックス」と名付けた。

「どの億万長者も米国人も、民主主義を守ることより株価を上げることを心配している。これは観念的な帝国主義だ」と彼は続けた。「選挙で選ばれていないシリコンバレーの6人が、世界のすべてに自分たちのビジョンを押し付け、どこの政府に対する説明責任もなく、法の届かない場所にいるかのように振る舞っている」。

「これは我々がローマ帝国に住んでいて、マーク・ザッカーバーグがシーザーであるかのようだ。少なくともこれで彼の髪型は説明できる」。コーエン氏は終わりに、「真実を嘘より優先し、寛容を偏見より優先し、共感を無関心より優先し、専門家を無知な人より優先せよ」、そうすれば「悪徳ハイテク資本家」たちの強欲から民主主義を守れると世間に訴えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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