サブスクで好きな都市へ気軽に移り住める、職場と住居一体シェアハウス「コリビング」の独Habytが約26.2億円調達

WeWorkが登場したとき、他の起業家たちはそのモデルを見て「コワーキングを不動産に適用できるなら、コリビング(職住一体型のシェアハウス)にも適用できるのではないか」と考えた。その結果、米国ではCommon(コモン)が登場し、アジアではHmlet(ハムレット)が現れた。一方EUでは「Habyt」が立ち上げられ、すでに競合のQuarters、Goliving、Erasmo’s Roomを吸収している。

今回Habytは、2000万ユーロ(約26億2000万円)のシリーズBラウンドをクローズし、2016年にSebastian Wuerz(セバスチャン・ウエルツ)氏によって設立されたもう1つの競合企業「homefully」と合併した。このラウンドには、HV Capital(旧Holtzbrink Ventures)、Vorwerk Ventures、P101、Picus Capitalが参加した。

2017年にLuca Bovone(ルカ・ボヴォーネ)氏がベルリンで設立したHabytは、これにより6カ国、15都市で5000以上のユニットを持つことになる。合併後の会社は、仕事や都市を頻繁に移動する20歳から35歳までの若いプロフェッショナル向けに、テクノロジーを駆使したユーザーエクスペリエンスとコミュニティへの注力とともに、家具とサービスが完備された居住ユニットを提供する。

Habytの創業者兼CEOであるルカ・ボヴォーネ氏は次のように述べた。「この1年半、当社はすばらしい旅をしてきました。完璧とはいえない市場環境にもかかわらず、M&A戦略の成功により大きな成長を遂げることができました。その結果、当社はヨーロッパにおけるこの分野のリーダーの地位を獲得し、まだまだ多くの可能性を秘めています。今回の2000万ユーロ(約26億2000万円)のシリーズBラウンドは、有機的な成長とさらなるM&Aの両方を通じてHabytを構築し続けるための扉を開くものです。我々は現在、ヨーロッパ、特にフランスとイタリア、そして他の大陸、特にアジアでの戦略的ターゲットを検討しています」。

homefullyの創業者であるセバスチャン・ウエルツ氏は次のように述べている。「コリビング市場は統合フェーズにあり、Habytはこの機会を迅速かつ効果的に捉え、世界規模でこの分野のリーダーになるための最良の道を歩んでいます。力を合わせることは、この方向に向けての重要なステップであり、私は当社チームがこの旅の一部になることを非常に楽しみにしています」。

HVのパートナーであるFelix Kluehr(フェリックス・クルーア)氏はこう述べた「Habytが欧州コリビング市場でトッププレイヤーとして台頭してきたことをうれしく思います。また、HVは、ヨーロッパを代表するコリビングカンパニーを構築するという同社チームの野心的な計画をサポートできることを楽しみにしています」。

インタビューの中で、ボヴォーネ氏はこう語った。「これはメンバーズクラブのようなものです。当社はサブスクリプションモデルを採用しており、メンバーは月々の料金を支払い、それが家賃となります。もちろんそれから、どこか他の場所に部屋を申し込むこともできます。当社はヨーロッパ全土で相当な規模を持っており、いずれは南ヨーロッパにも展開します。当社のモットーは『どこでも住める』ことです」。

同氏はまた、パンデミックの影響で人々はコワーキングスペースを利用しなくなったことを指摘し「人々は、月に50〜100ユーロ(6500円〜1万3000円)多く出しても、自宅で快適に仕事ができるようなより良い住宅環境を手に入れたいと考えている」と述べた。

「当社の顧客ベースの中には、ベルリンに6カ月、マドリッドに3カ月滞在した後、再びベルリンに戻ってくる、というようなケースがすでに見られます。従来の住宅市場では、切ることができない光熱費などの契約があり、そのようなことはできませんでした。そうした慣習は時代遅れの商品でしかないと考え、当社はその問題に取り組もうとしています」。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Habyt資金調達コリビングベルリンサブスクリプション買収

画像クレジット:Habyt Room

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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