サムスンのQ2は半導体不振で営業利益55.6%減

今月初めに示された予想通り、Samsung(サムスン)の第2四半期決算は半導体やスマホの需要が落ち込み、大幅な減益となった。総売上高は3週間前に発表したガイダンス若干上回る56兆1300億ウォンで、営業利益は前年同期比55.6%減の6兆6000億ウォン(約6040億円)だった。

第1四半期にサムスンは営業利益が半分以下に落ち込んだことを発表していた。そして第1四半期決算を直撃した問題がまだ続いている。この問題には、顧客であるデータセンターの在庫調整、つまり半導体の買い控えが含まれ、これによりメモリ価格が低下している(軟調な半導体マーケットは競合する半導体メーカーSK Hynixの四半期決算にも影響を及ぼしている)。

半導体事業の売上高は16兆900億ウォンで、営業利益は前年同期比71%減の3兆4000億ウォンだった。同社は下半期も引き続きマーケットの不確実性の対応に迫られると予想しているが、半導体需要は季節変動の引き合いと高密度プロダクトの導入で高まるとしている。

一方、モバイル事業の売上高は25兆8600億ウォンで、営業利益は前年同期比42%減の1兆5600億ウォンだった。スマートフォンの出荷台数は、大衆路線のGalaxy Aシリーズの堅調な販売が貢献して前年同期比では増えた。しかし旗艦モデルの売上は「Galaxy S10の販売が振るわず、プレミアムプロダクト需要の低迷」で落ち込んだ。

モバイルマーケットは今後も低迷が続くとサムスンはみているが、旗艦モデルと大衆モデルの両ラインアップに新製品を投入する予定だ。同社は来月Galaxy Note 10を発表し、また発売が延期されているGalaxy Foldのリリース日発表も近い。そして新Galaxy Aシリーズモデルも下半期に投入する予定だ。

「社は変わりつつある事業環境にすぐさま対応する。開発、製造、そしてマーケティングでの効率性を追求することで、利益確保にさらに努める」とサムスンは決算発表で述べている。

サムスンの決算に影響を及ぼしたのはマーケットの需要だけではない。他のテック企業と同様、サムスンは日本と韓国の貿易摩擦の長期的な影響に身構えている。先月、日本は半導体やスマートフォンに使用される一部の化学製品の輸出規制を強化すると発表した。サムスンはそうした化学製品のストックがあるとしているが、この2国間の摩擦がいつまで続くか不透明なため(長期間続くかもしれない)、同社は代替を模索している。

イメージクレジット: VCG / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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