サンフランシスコ・ベイエリアの新型コロナ検査能力が1日当り1000名に拡大

サンフランシスコ・ベイエリアでの新型コロナウイルス(COVID-19)の検査能力は、民間セクターによって増強されつつある。

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)とPriscilla Chan(プリシラ・チャン)の慈善プロジェクトであるChan Zuckerberg Initiative(チャン・ザッカーバーグ・イニシアティブ)は、UCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)および医学研究非営利団体の Chan Zuckerberg Biohub(チャン・ザッカーバーグ・バイオハブ)と共同で、シリコンバレーお膝元の新型コロナウイルスの検査能力を拡大する。

この共同作業は、パンデミックが全世界で地域の健康に脅威を与えている中、UCSF、Zuckerberg San Francisco General Hospital(ザッカーバーグ・サンフランシスコ総合病院)、およびその他の地域公衆衛生局拠点で、新たにオンライン検査が可能になることを意味している。UCSFの目標は、同校の施設内で「数日以内」に1日1000人以上を検査することだ。

検査能力の拡大によって、UCSFの入院患者を優先的に、次にウイルス症状のある外来患者(多くが未検査状態)を検査することになる。現在UCSFでは1日当り60~100件の検査を実施可能だ。

チャン・ザッカーバーグ・バイオハブの共同責任者を務めるJoe DeRisi(ジョー・デリシ)教授はこの取り組みを、臨床検査能力の「全速力」の増強だと説明した。この民間による提携事業は検査機器の購入だけでなく、「運用支援、情報科学、プロトコル開発」などを提供する。去る2003年、デリシ氏の研究は、新型コロナウイルスと関連のあるコロナウイルスの一種であるSARSの同定に貢献した。

チャン・ザッカーバーグ・バイオハブとUCSF検査部門との提携は、Gavin Newsom(ギャビン・ニューサム)カリフォルニア州知事が3月初めに非常事態を宣言した際に発令した行政命令によって可能になった。

「検査能力の劇的な拡大、および必要としている人々への迅速な検査体制の整備は、COVID-19の蔓延を防ぐために不可欠だ」とチャン・ザッカーバーグ・イニシアティブの共同創業で共同CEOのプリシラ・チャン博士が語った。

カリフォルニア州では今週初めに22の公衆衛生研究所がCOVID-19検査を実施していた。3月18日現在、カリフォルニア州では1万2600名が検査を受け、585名が陽性反応を示している。

画像クレジット:Andrew Theodorakis / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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