ザッカーバーグ:Messengerと支払いはいずれ「融合」するが、期待するのはまだ早い

Facebookは、支払いサービスでMessengerを収益化する計画を持ってはいるが、正しく実現するためにはまだ時間がかかりそうだ。Messengerについて、CEO Mark Zuckerbergは今日のQ2収支報告会見で、「いずれ、ある程度支払いと重複する部分ができるだろう」と語った。支払い機能は、Facebook全体の成功を後押しするものであり、人々が互いにあるいは企業とやり取りするのにも役立つことを強調した。

しかし、これがすぐ起こることは期待しない方がよさそうだ。Zuckerbergは、「必要な基盤作りにのためには山ほど作業がある」と語り、「安上りな方法で広告を出し支払いサービスを提供して、短期的に利益を生むアプローチもあるが、それをやるつもりはない」と続けた。

彼は、アナリストや投資家に対して、これ[支払い機能]がすぐ来ると予想していたならFacebookの収益予測を修正するように、と促した。「もしみなさんの立てたモデルなどに、われわれがこれをやる計画が反映されているなら、修正することを強く推奨する。なぜなら、まだやらないからだ。われわれは複数年をかけて、正しいやり方を探していく。

Messengerは、2014年Q1にアクティブユーザー2億人を達成し、人々は1日当たり120億メッセージをFacebook上でやりとりしている。収支会見で同社がこの製品でどう収益を上げるかについて質問が出たのは、Facebookがメッセージ部門の長として、PayPal社長のDavid Marcusを迎えたことがきっかけだった。

もしFacebookが、Messenger経由でピアツーピア支払いや、企業への支払いを可能にすれば、莫大な手数料収入を得ることになる。Facebookが世界中に普及していることから、母国へ送金する移民労働者から法外な手数料を取っている、強欲な送金業界を破壊することになるかもしれない。Facebookは、家族のお金を守って善意を育みつつ、Western Union、MoneyGram、Remit2India等の伝統的送金業者より料金を低くすることで、大きな利益を上げることができるだろう。

ユーザー数と売上の成長によQ2業績の好調さと共に、このニュースはFacebookの株価を、時間外取引で過去最高の75ドルへと押し上げた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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TechCrunch Japan

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