シェフと企業をマッチング、Green Dining運営がシードラウンドで2000万円を調達

企業向けに、会議やちょっとしたパーティーのためのお弁当やオードブルを届けてくれるケータリングサービス。古くは仕出し弁当として提供されてきたサービスだし、今では「ごちクル」のようにウェブでサービス展開するものもたくさんある。

そんな中で今日紹介する「Green Dining」は、料理を発注するというのではなく、料理人と企業やイベントをマッチングする、というプラットフォーム事業だ。

Green Diningを提供するグラアティアは8月13日、ゼロワンブースターSGcapitalほか複数の個人投資家を引受先とした約2000万円の資金調達を発表した。同社は2017年8月、ゼロワンブースターがキリンとともに運営する「KIRINアクセラレター2017」で優秀賞を受賞している。

グラアティアは2016年11月の設立と同時にGreen Diningの運用をスタートした。グラアティア代表取締役の竹内恵子氏はIBM、Microsoft、Amazonと外資系IT企業に所属してきた人物。同じく外資系IT企業を経験してきた共同代表取締役の新垣道子氏とAmazonで知り合い、「食」と「場」を提供するサービスを提供したい、とこの事業を立ち上げた。

竹内氏はGreen Diningのサービスについて「はじめから企業向けとして設定した」と話す。「家庭へシェフを呼ぶ、というサービスもあるが、家庭にはキッチンもあるし、サービスとして企業が間に入るメリットはあまりない。BtoBで大きな会をターゲットにすると、運営も難しいので需要があるし、(間に入ることで)特別感のある料理やイベントを提供することができる」(竹内氏)

大手企業で法人の顧客に相対してきた経験もあり、企業のニーズを捉えることにも長けていた、という竹内氏。「サービスを提供していく中で、企業がどうすればより使いやすくなるかもわかってきた」と話している。

また、マッチングする一方の先となるシェフのニーズも見えてきた、と竹内氏はいう。「フリーのシェフとして働いている人も多いが、中にはレストランをやっている人も。いずれも“店舗”にこだわらずに腕を振るいたい、プロの料理人だ。そうした人たちがビジネスをやりやすくするためのプラットフォームとしてサービスを提供していきたい」(竹内氏)

Green Diningが目指すのは、従来型の「ザ・ケータリング」ではない、と竹内氏。「企業にとって、社員のコミュニケーションやオープンイノベーションを生み出すような、料理と場を提供するのが我々のサービス。商談に使いたい、という企業や、食を使ったビジネス創出についても相談を受けるようになった」と話す。

これまでに累計約1万5000人が、企業のネットワーキングイベントや祝賀パーティー、社内イベントなどで、その料理を楽しんできているというGreen Dining。1回あたりの参加者数は30人から1700人と幅広い。「1000人を超すような会では、シェフ1人では回らないので、数名のチームを用意するなど、Green Diningでプロジェクトマネージメントも行っている」そうだ。

これまでの約1年半は、市場の需要を見ながらマニュアルで運営されてきたというGreen Dining。竹内氏は「今までは事業のベースづくりのため、いろいろと試しながらやってきた。資金調達を機に、エンジニア増強、プラットフォームシステムの構築を行っていく」と述べている。

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TechCrunch Japan

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