シンガポールを拠点とするSesto Roboticsが6.5億円を調達して世界展開を目指す

シンガポールを拠点とする産業用ロボット企業Sesto(セスト)は、今週、TRIVE、WTI GmbH、SEEDS Capital(Enterprise SingaporeのVC部門)が参加した570万ドル(約6億5000万円)の資金調達を発表した。今回のラウンドは、2018年に実施された同規模の400万ドル(約4億6000万円)のシリーズAに続くものだ。

パンデミックの影響で自動化を目指す企業が増えたこともあり、産業用ロボットの分野で多くの企業がそうであるように、Sestoも前回のラウンド以降多忙な日々を送ってきた。2020年5月には、ここ数年で見られるようになったUV-C(紫外線)システムを先取りした消毒ロボットHealthGUARD(ヘルスガード)を発売した。

2020年8月には、AMR(自律型移動ロボット)のラインナップにMagnus(マグナス)を加えた。このシステムは、多くの自律型倉庫ロボットと同じように動作し、(現在はAmazon傘下の)Kiva(キバ)が開発したシステムによく似ている。また、モジュール化されているため、ロボットの上にさまざまな付属品を取り付けて機能を追加することができる、これは自律型アシスタントの一群を迅速に展開したい企業にとっては好都合だ。その中には、半導体製造に特化して設計された7軸ロボットアームSesto Prime(セスト・プライム)も含まれているが、この分野の製造業は間違いなく自動化の拡大に熱心に取り組んでいる。

2021年5月、Sestoはヨーロッパ、具体的にはオーストリア、ドイツ、スイスへ進出した。このことが、今回のEU拠点の企業からの投資意欲につながっているのだ。CEOのChor-Chen Ang(チョウチェン・アン)氏は今回のラウンドについて、GMDの調査を引用しながら次のように述べている「ヨーロッパにおける自律型移動ロボットの拡大に参入できることをうれしく思っています。ヨーロッパでは、現在の44億米ドルから今後4年間で年平均11.8%の成長率で拡大すると予測されています」。

今回の資金調達は、こうした国際的なパートナーシップの拡大、市場の拡大、さらには同社の提供する製品の開発や既存のロボットの汎用性の向上などに活用される予定だ。

画像クレジット:Sesto Robotics

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(文:Brian Heater、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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