ジェフ・ベゾス氏が2021年後半にアマゾンCEOを退任し会長へ、後任はAWSのアンディ・ジャシー氏

Amazon(アマゾン)の創業者で現CEOのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は、2021年の第3四半期中に同社の取締役会長に移り、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の現CEOであるAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏がこのコマース企業のトップに就任することになった。Amazonは米国時間2月2日の決算発表と同時にこのニュースを発表した。

Amazonは1株当たりの利益と売上高の両方で過去最高を更新した。市場は同社の収益とCEOのニュースの両方に反応し、時間外にもかかわらず当初は上昇した。

【更新】発表されたすべての数字を投資家が解析する時間を持った後、Amazonの株は下落に転じた。

Amazonは2020年第4四半期に1株当たりの利益と売上高の両方で予想を上回った。それによってベゾス氏のCEO退任を心配する投資家も、実績ベースによる向上を評価することになった。Amazonの四半期は、予想されていた1197億ドル(約12兆5700億円)の売上高に対して、1256億ドル(約13兆1900億円)とこれを上回り、初めて1000億ドル(10兆円)の大台を突破した。1株当たりの純利益は14.09ドル(約1480円)で、予想されていた7.23ドル(約759円)の2倍近くになった。

ジャシー氏は以前、AWSをクラウドコンピューティング分野のリーダーとして現在の成功に導いたことから、ベゾス氏の後継者となる可能性が高いと指摘されていた。AWSはこの第4四半期に28%の収益成長を遂げたが、前年同期の34%の成長率にはおよばなかった。AWSの売上高は、前年同期の99億5000万億ドル(約1兆450億円)から2020年第4四半期には127億4000万ドル(約1兆3381億円)に拡大した。AWSの営業利益も同様に増大し、2019年第4四半期の26億ドル(約2731億円)から直近の四半期には35億6000万ドル(約3739億円)になった。

ちなみに、Microsoft(マイクロソフト)のクラウドコンピューティング事業であるAzure(アジュール)は、直近の四半期に50%成長した。

ベゾス氏はAmazonの従業員にメールを送り、2月2日の発表後には同社もそれをブログで一般に公開した。その中で同氏は、「仕事に意義と楽しさを見出し」続ける一方、適切な時間と関心を「Day 1 Fund(ホームレスの家族の支援と教育分野の支援を行う慈善基金)、Bezos Earth Fund(地球温暖化対策のためのベゾス地球基金)、Blue Origin(航空宇宙企業のブルーオリジン)、The Washington Post(2013年にベゾス氏が買収したワシントン・ポスト紙)、そして他の情熱」に注げるようになりたいと述べている。

ベゾス氏の航空宇宙企業であるBlue Originは、これまでに多くの成果を上げており、New Shepard(ニュー・シェパード)ロケットで定期的に準軌道飛行のミッションを行っている。2021年は、New Shepardで初めて人を乗せた宇宙飛行を開始することになりそうなので、この宇宙企業にとっては忙しい年になりそうだ。

有人宇宙飛行の目標に加えて、Blue Originは現在、他の宇宙産業のリーダーたちと協力して、NASAのために有人月面着陸システムを開発している。また、もう1つのロケット、New Glenn(ニューグレン)にも取り組んでおり、これはペイロードを軌道上に運ぶことができる重量級ロケットだ。このように、Blue Originでも、多くの計画が進行している。ベゾス氏は以前、Blue Originは人類の未来に影響を与える可能性がある規模の大きさから「自分がやっている最も重要な仕事」だと語っていた。

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(文:Darrell Etherington、Alex Wilhelm、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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