ジムでのApple Watch活用を促進するプログラムが米国で登場

手首に着けるフィットネストラッカーは、屋外でのエクササイズに適している。一方、ジムのマシンが好きな人たちにとっては微妙だ。GPSによる距離の計測ができないし、エリプティカルのようなマシンを使った運動も計測しにくい。

最近のApple WatchシリーズとwatchOSでは、この問題が解決してきている。ワークアウトの検知が向上したのと、2017年にリリースされたwatchOS 4でGymKitが追加されたためだ。GymKitに関しては、Appleはまずマシンメーカーと連携し、旧式の30ピンのiPodに対応したトレーニングマシンからApple Watchで検知できる新しいマシンへと進化させるよう働きかけた。

今週、Appleはジムと提携して、Apple Watchの取り組みをさらに一歩進めた。4つのジムをパートナーとして、Apple Watch Connectedプログラムを新たに始めるのだ。その4つのジムはOrangetheory、Basecamp、YMCA、Crunch Fitnessで、昔ながらのジムから小規模な特化型のジムまでバラエティに富んでいる。ただ、これまでのGymKitと同様に、マンハッタンやミネソタ州のツインシティーズといった大都市圏に住んでいるのでない限り、近所のジムで使えるようになるにはしばらく時間がかかるだろう。

Apple Watch Connectedプログラムは、ジムの中と外の生活をさらに近づけるためのものだ。プログラムには4つの柱がある。GymKit対応マシン、Apple WatchとAppleが開発したiOSアプリ、ジムがApple Payに対応すること、そしておそらくこれが最も興味深い点だが「インセンティブプログラム」が柱となる。

前述の4つのジムがどのようにこのプログラムに関わるかは、それぞれのビジネスモデルにより異なる。特にGymKit対応マシンは必ずしも使用されるとは限らない。たとえばOrangetheoryのワークアウトはマシンを移動しながらの高強度インターバルトレーニングなので、結局のところGymKitでの記録はあまり意味がない。

インセンティブプログラムも、ジムにより異なる。Orangetheoryでは基本的にアクティビティの成果に応じてNikeやAppleのギフトカードがもらえる。Crunch Fitnessでは会費が2年間で最大300ドル(約3万3000円)割引になる。YMCAでは収益が「コミュニティイニシアチブ」に充てられ、Basecampではジムが提供するGPS付きApple Watch Series 5の費用に充てられる。

トータルで見ると、どの関係者にとっても良い話のようだ。Appleは小規模ながらも成長しているジムに対して積極的に関与できる。ジムはAppleとのパートナーシップを特典のひとつにすることができる。そしてGymKitのパートナーはこれからさらに多くのマシンを販売できる。GymKit対応マシンはすでに5万から10万台が出回っているが、ここには最近公表されたWoodway、Octane、TRUE Fitnessといったマシンメーカーの数字は含まれていない。

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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