ジャガー・ランドローバーが都市型のライドシェア用電気自動車を発表、2021年の試験運用を目指す

Jaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー)は、つい目を奪われてしまういつもとはずいぶん違う形状のコンセプトカーを発表した。それはProject Vector(プロジェクト・ベクター)という名の4輪の都市型電気自動車で、一般的な乗用車というよりは、空港で走っている低床のシャトルバスのようだ。

これは、ライドシェア用電気自動運転車が主流になるであろう将来を見据えた自動車メーカーの間で流行っているスタイルだ。たとえば、Cruise(クルーズ)は、これとよく似た直方体の車両を1月に発表している。決定的な違いは、Cruiseの車両は単なるコンセプトカーではなく、量産モデルという点だ。

外観上、ジャガー・ランドローバーのVectorはCruiseとよく似ている。前と後ろはほとんど見分けがつかないし、乗り降りのスペースを最大に取れるようスライドドアが真ん中から開くのも同じだ。床も地面に近い定位置にあり、同じように乗り降りが楽にできる。床に収められたバッテリーと駆動系で走る点も同じだ。

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完全な無人走行用のCruiseと違うのは、ジャガー・ランドローバーのほうには正面を向いたシートがあり、人が握るためのハンドルが備わっているところだ。ただし内装は「可変式」で、ゆくゆくは無人運転走行にも対応する。また、人を運ぶだけでなく、荷物の運搬用に変更できる柔軟性もある。

ジャガー・ランドローバーのこのコンセプトカーは、興味本位で作られたような代物でもない。イングランドのコベントリー市議会とウエスト・ミッドランズ合同行政機構と共同で、Vectorを使った試験運用サービスを、早くも「2021年後半」には開始する予定だと同社は話している。それは「コベントリーの街を走る未来交通の生きた実験室」になるという。

自分の街の道路が実験台になるなんて聞くと、大抵の人は嫌がるだろうが、逆に言えば、昔ながらの配車サービスよりも公共交通機関にずっと近い電気自動車による先駆け的なライドシェアはいいものではんだろうか。

GMとホンダが協業開発した配車サービス用電動無人運転車が登場(日本語訳)

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(翻訳:金井哲夫)